◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(20日、ミラノ・スピードスケート競技場)

 女子1500メートルが行われ、世界記録保持者の高木美帆(TOKIOインカラミ)が6位に終わり、まさかのメダルを逃した。18年平昌大会、22年北京大会と2大会連続銀メダル。

最もこだわりを持ち続けた本命種目だったが、表彰台に立つことができなかった。前半から積極的に攻めて好タイムで滑ったが、ラスト1周に大きくペースを落として1分54秒865と悔しい結果に終わった。レースを終えるとオランダ人のヨハン・デビット・コーチと抱き合い大粒の涙。「ちょっと今、自分の言葉で表現するのは難しいかなと思っています。まだ整理はついていない」と、結果を受け入れられない様子だった。

 悲願の金メダルはならなかった。2大会連続銀メダル。ミラノ五輪の頂点を目指し、北京五輪後の現役続行を決めた。今大会は3種目連続で銅メダルを獲得しており、「もうおなかいっぱいですよ」と苦笑いを浮かべていた。初出場だった10年バンクーバー大会から16年。求め続けた結果はまたしてもつかむことができなかった。

 高木にとってオリンピックは毎回が「集大成」だ。

「4年間やってきたことを出し切る場所」と位置づけ、毎大会、全力で取り組んできた。「あそこ(五輪)で何ができるか、何をしたいかということにフォーカスをおいている。あまりそれ以外のことは深くは考えていない」と目標を掲げ取り組んできた。北京五輪後に続ける道を選択したからこそ、全てはこの日を逆算して取り組んできた。

 だが、昨季、連覇を狙った世界距離別選手権では同種目で4位に終わり、表彰台を逃した。「自分の中で足りなくなっているものは何かを考えるときに、その結果は一番に頭の中に出てくる」と悔しさを味わったからこそ、見えてきたものがあった。

 今季開幕前にはブレード(刃)を3季ぶりに変更。五輪シーズンに大胆な変更を行ったが、2年間で力任せに滑るようになっていたものを「強制的に戻すことができた」と徐々に手応えをつかんでいた。シーズン序盤は「ちょっとずつ全部違う」とピースがかみ合っていなかったがW杯を転戦してそれも解消。「一進一退しなが見つけて来れたのがたくさんあった。迷子だなという感覚は全然なくて、この道を突き進んでいきたい」と昨年末の段階では光が差した様子だった。

 23年にはナショナルチームを離れ、「チーム・ゴールド」を作った。

ヨハン・デビット・コーチと二人三脚でミラノ五輪の1500メートル獲得を目指し、大きな一歩を踏み出した。この日ともに滑った佐藤綾乃(ANA)、堀川桃香(富士急)らチームメートも増え、「一緒に戦える仲間がいる、一緒にトレーニングをできる仲間がいるっていうのが一番大きい。そういうことを求めてチームを作ることをしたので、いい仲間に恵まれたことはすごく大きい」と感慨深く振り返った。今季限りで解散が決まっているチーム。最高の仲間と滑った今大会ラストレースは悔しすぎる結果で終わった。

 ◆高木 美帆(たかぎ・みほ)1994年5月22日、北海道・幕別町生まれ。31歳。帯広南商、日体大卒。18年世界選手権総合優勝。19年に1500メートルの世界記録樹立。20年全日本選手権で史上初の5種目V。五輪は10年バンクーバー大会に史上最年少15歳で出場。

家族は両親と兄、平昌五輪2冠の姉・菜那さん。164センチ。

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