◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(20日、ミラノ・スピードスケート競技場)

 【ミラノ(イタリア)20日=富張萌黄】女子1500メートルが行われ、世界記録保持者の高木美帆(TOKIOインカラミ)は6位で、メダルは逃した。18年平昌大会、22年北京大会と2大会連続銀メダル。

最もこだわりを持ち続けた本命種目だったが、表彰台に立つことができなかった。前半から積極的に攻めて好タイムで滑ったが、ラスト1周に大きくペースを落として1分54秒865と悔しい結果に終わった。

 レース後、テレビ解説を務めた姉で18年平昌五輪2冠の菜那さんが取材に応じた。ここまで挑戦し続けた妹を「よく頑張った」とたたえた。ラスト1周でタイムを落としたレースを「成長しながら闘ってきたと思うんですけど、課題だった粘るところがやっぱり五輪のところまでピースをはめ切れなかった」と解説者としてレースを振り返った。

 22年北京五輪以降、1500メートルでの金メダルだけを目指し続けてきた高木。その姿を競技から引退し、姉の目線で菜那さんは見守ってきた。頂点だけを見据えてもがき続けた妹は「どんどん時間が迫ってくる、五輪が近づいてくる、けど先が見えない時間が続いていくのは怖い。あんなに強い選手でも見えなくなる時間があった」と立場が変わったからこそ、悩む高木の姿が見えるようになった。

 今年10月の全日本距離別選手権でレースを見た際は「姉としては心配」と漏らしていた菜那さん。そこからはい上がる姿を見て、「そこからよくちゃんと自分と向き合って、戦い抜いた」とこれまでの歩みをたたえた。

 北京五輪前までは「勝ちたい」と口にすることがほとんどなかった高木。

菜那さんは「金メダルを取りたいといわずに戦ってきた子が、そこを目標に挙げて、声に出して戦うって相当な覚悟だったんだろうな」と挑戦を終えた妹への思いを語った。

 菜那さんは高木のことを「周りもトリコにする選手」と表現した。姉の自分と同じように日本国民が応援してきた今大会。「感情を表に出す子じゃないのに、人を魅了するってあの子の色なんだろうな。最後の最後まで美帆の色を出し切るってくれた、美帆の色を貫いてくれたオリンピックだった」。4度目の大舞台に臨んだ妹の6レースをそう表現した。解説者というよりも、姉としての感情で見届けたミラノ五輪。「私の中ではすごく記憶に残る五輪だった」と戦い抜いた妹に感謝を伝えた。レース後は仲良し姉妹らしく2ショット写真に収まり、大仕事を終えた。

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