◇第73回春季高校野球東海大会▽1回戦 知徳6―2中部大春日丘(23日・小牧市民球場)

 1回戦が行われた。春夏秋通じて初めて県大会を制した知徳(静岡1位)が中部大春日丘(愛知2位)を6―2で破り、東海初出場初勝利を飾った。

打線が2本塁打を含む10安打で6得点を挙げた。エース・渡辺大地(3年)は8回を投げて8四死球と苦しみながら3安打2失点に抑えた。浜松商(静岡2位)は大垣日大(岐阜1位)に1―6で敗れた。知徳は24日の準決勝で県岐阜商(岐阜2位)と対戦する。

 初の東海の舞台でも、知徳の快進撃は止まらない。愛知準Vの中部大春日丘に快勝だ。最後の整列が終わると、ナインが初勝利の喜びを爆発させた。一塁スタンドに向けて「3本」の指を突き立てた。親指に「感謝」。人さし指には「思いやり」。中指には「素直」の意味を込めた「スリーピース」。お決まりのポーズでスタンドにいる仲間と勝利を分かち合った。

 打線が県Vの立役者、エースの渡辺を援護した。1点リードの7回に3番・笠原塁内野手(3年)が右翼へソロ。1点差に迫られた8回は渡辺の相棒役、8番・松本星碧捕手(2年)が左翼へ一発。いずれも公式戦初弾。チームで10安打中6本の長打が飛び出し、打撃力の高さも見せつけた。

 オフは筋トレに時間を費やした。「例年、冬は山に走り込みに行くけど、熊が出るなんて話題も多いのでメニューを変えた」と、初鹿文彦監督(50)が笑うが、走り込みを減らした分、ウェートに充てて選手たちがパワーアップ。松本は「効果は出ていると思う」と、力を込めた。

 大技だけでなく決勝点は小技でもぎ取った。同点の4回2死三塁に9番・篠原悠良内野手(3年)が三塁前にセーフティーバント。「自分は長打がないので最善を尽くそうと思った。当たった瞬間、決まったと確信した」。

つなぎの男が見事、相手の意表をついた。

 守っても、2つの併殺を奪うなど無失策でエースを支えた。「(渡辺)大地にはいつも助けてもらっているから」と、笠原がうなずく。創部以来初の県制覇を達成し、東海初勝利を挙げて学校の歴史を塗り替え続ける。指揮官は「周囲から春の珍事と言われていじられるけど、うれしい」と、目を細める。選手は「東海で優勝してもっと歴史をつくりたい」と、口をそろえた。準決勝は県岐阜商と激突。旋風を吹かせ続ける知徳が、春夏通算61回の甲子園出場を誇る伝統校にぶつかる。(塩沢 武士)

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