ラグビー・NTTリーグワンで3連覇に挑むBL東京は、24日に準々決勝の東京ベイ戦(秩父宮)に臨む。今季はレギュラーシーズン(RS)で8勝10敗と苦戦しながら、6位でトーナメントへ。

24年、チームを16季ぶりの優勝に導いた元ニュージーランド代表のSOリッチー・モウンガ(31)は、今季限りでチームを退団。“下剋上”での有終に挑む。

 苦しんだ2025―26シーズン。それでもBL東京のNO8、リーチ・マイケル主将は言葉に力を込めた。「一発勝負というのは、他の試合とは違う。当日強ければいい、そういうマインドでいきたい」。RSは負け越したが、2連覇王者としての意地がある。一発勝負を知っているからこそ“下克上”を見据えている。

 今季終了後、元オールブラックスのSOリッチー・モウンガと、フランカーのシャノン・フリゼルが退団する。ともに23年W杯フランス大会で、NZ代表の準優勝メンバー。オールブラックスとして27年W杯を戦うためにはNZ協会に属していなければならず、決断。チームも理解した。

2人が加入後、BL東京は2023―24、24―25年シーズンでリーグワン初の2連覇を達成。現役バリバリのNZ代表では珍しい、複数年契約での来日だった。モウンガは「この府中で過ごした期間、府中という場所も、今後の人生で特別なものとしてあり続ける」と、ファミリーとしての時間を過ごしてきた。

 当時、GMだった薫田真広氏は「チームにレガシーを残して欲しい」と、単年契約ではなく時間をかけての貢献にこだわった。モウンガは入団初年度から、リーダー陣の1人としてけん引。3シーズン、ここまで出た試合は50。何より昨季は、準決勝で右手を骨折しながらの強行出場だった。前日までボールを触れなかったという生命線の司令塔は、決勝当日、前半8分に個人技でトライ。全13得点を挙げ、プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に。格の違いを見せつけた。

 退団が決まってから、モウンガは言った。「もちろん優勝して終わりたい。

もう一つは、日本の子どもたち、人々にインスピレーションを与えたい。ラグビーを見たことがない人でも『あんなプレーできるんだ』と興味を持ってもらえたらと思うし、ラグビーが好きな子どもたちには『こういう選手になりたい』と思ってもらえたらうれしい。ラグビーはいいスポーツだなと、思ってもらえるきっかけになったら」。そして「自分も家族も温かく迎え入れてくれたこの国への恩返しも、まだまだ返し切れていないところがあると思っている」。拠点の東京・府中市にいち早くなじませるため、リーチ主将の献身もあった。モウンガの子どもが風邪をひけば病院を紹介し、右手の治療のため、酸素カプセルにも3日連続で付き合った。

 「府中の居酒屋バーで飲んだり食べたりしたことは、今後忘れることのない思い出になると思う」と言うモウンガ。ラグビーへの姿勢、そして勝利への執念、BL東京に確かな足跡を残してきた。「今シーズン、一番最後までプレーをしていられるように、頑張りたい」と、見据えたラストシーズン。残すは最大3試合。恩返しへの戦いが始まる。

 ◆BL東京の今季成績

〈1〉0●46 埼玉

〈2〉26〇22 静岡

〈3〉41〇19 横浜

〈4〉47〇22 相模原

〈5〉38〇27 浦安

〈6〉24〇20 東京ベイ

〈7〉38●44 三重

〈8〉33●34 神戸

〈9〉21●52 トヨタ

〈10〉14●33 BR東京

〈11〉21●60 東京SG

〈12〉22●24 三重

〈13〉7●51 東京ベイ

〈14〉40〇24 浦安

〈15〉45〇26 相模原

〈16〉26●50 横浜

〈17〉35〇29 静岡

〈18〉0●45 埼玉

8勝10敗(6位)

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