巨人が勝負の夏場に向けて暑さ対策を進めている。5月下旬から東京Dの試合前練習で場内の温度を4度上げた。

体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」が目的で、選手は練習から大粒の汗を流している。昨季負け越し5を作った7、8月の戦いに向けた取り組みに「Gを読む」で迫る。ナインは8日、東京から仙台へ移動。9日から楽天との敵地3連戦(楽天モバイル)に臨む。(取材・構成=内田 拓希、田中 哲)

 本格的な夏到来より一足先に、本拠地が“ホットドーム”と化している。始まりは5月26日・ソフトバンク戦(東京D)の試合前練習だった。場内が熱気に包まれ、長袖シャツを着る選手は汗びっしょり。南国・沖縄出身の大城は「めちゃくちゃ汗をかいてますね」と心地よさそうに笑顔を見せていた。それもそのはず、普段は22度に設定されている空調が、巨人の試合前練習時のみ、26度まで上昇していたからだ。

 これから本番を迎える夏場に向けた、トラブル予防策の一環だ。発案者の岩垣トレーナーは「『暑熱順化』といって、暑さ対策の一つですよね。暑さに慣れる期間で、2週間ぐらいつくってやりましょうと」。

選手には発汗しやすい“夏場仕様”の体づくりの必要性を説明した上で、練習中は厚着の服装を推奨した。丸、松本らはパーカのフードで顔を覆う冬場のような装いでノック。各自が意図を理解した上で熱気にあふれた練習が行われていた。

 24年は交流戦が明けた2日間の練習を東京DではなくG球場で実施。これまでもスポット的な暑さ対策は行ってきたが、今回は5月26日からの2週間と入念に準備を進めてきた。それだけに、今年こそ“鬼門”の打破に期待がかかる。

 昨季は7、8月に20勝25敗1分けで5つの負け越し。中でも暑さが顕著な甲子園、マツダは3勝8敗と大苦戦した。7月3日の阪神戦(甲子園)は増田陸が脚のつり、門脇は脱水で、それぞれ途中交代。「暑くなりはじめのところは脚がつりやすかったり、筋肉系のトラブルが出たり、いろんなことが起こりやすくなる。今のうちに暑さに慣れることをやっておくと、そこの入りが良くなる」と岩垣トレーナー。V争いが佳境に入る勝負の夏を、今年こそ乗り切る。

 北中米W杯を目前に控えるサッカー日本代表も、炎天下が予想される本番に向けて暑熱順化を進行中。気温30度超の事前合宿地・モンテレイ(メキシコ)でMF鎌田、DF谷口らが長袖のユニホームでトレーニングを行っている。“サムライブルー流”の取り組みの効果に期待がかかる。

 チームは6戦無敗(4勝2分け)と快進撃を続け、9日から楽天、西武との敵地6連戦で交流戦を締めくくる。西武の本拠地・ベルーナDも蒸し暑さで知られており、改革がいきなり効果を発揮するかもしれない。暑さという強敵に打ち勝った先に、2年ぶりのV奪回が見えてくる。

 岸田「初めての試みなのでこれからですが、違和感なくできているので、いいんじゃないかと思います」

 佐々木「ドームであの暑さはなかなか経験できない。僕らもいい方向に行ってくれればなとは思ってます」

 ◆暑熱順化 体を暑さに慣れさせる熱中症予防の一つ。かいた汗が蒸発すると気化熱で体温が下がるため、汗をかきやすい体をつくることがポイントとなる。高い気温のもとで体を動かすと汗をかきやすい状態がつくられる。

 数日から2週間、継続することで暑熱順化の体がつくられるとされている。

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