高まる健康志向を背景に、ニッスイが展開する「速筋タンパク」シリーズの需要が拡大している。ちくわやフィッシュソーセージ、かにかまなど全11品で展開。
スケソウダラがもつ利用率の高いタンパク質を商品化したもので、各商品とも「速筋タンパク」を4.5g以上配合した。2025年度実績(金額ベース)は、発売初年度の20年度比で3倍へと成長を遂げている。

同社は、スケソウダラのすり身を主原料に様々な練り製品を長年展開してきている。その有効活用を目的に、2009年頃から調査研究を推進しており、スケソウダラが豊富に持つ「速筋」のタンパク質が良質であることを発見した。「速筋」とは瞬発力を発揮する筋肉のこと。スケソウダラの白身はそのほとんどが、俊敏な動きの源となる「速筋」で構成され、そこに含まれるタンパク質が「速筋タンパク」と呼ばれている。

同シリーズを担当する家庭用食品部加工食品課の増田智哉課長は、「タンパク質摂取の必要性が盛んに言われているが、その質も重要。他の食品と比較して、体内での利用率の高さが、スケソウダラ由来のタンパク質の優れた特徴だ」と説明する。タンパク質は、摂取したものすべてが体内で利用されるわけではなく、未利用分は脂肪へと変わることもあるという。卵を100とした場合、スケソウダラの利用率は104。良質なタンパク質である卵を上回る高利用率となっている。

同シリーズの主なターゲット層は、60代から70代のアクティブシニア。
練り製品の主要購買層でもある50代以上と合致しており、年々売り上げが拡大している理由だという。調理せずにそのまま食べられる即食性に加え、魚価高騰から価格は上昇基調にあるものの、一点単価はほかの食品と比較して低価格なものが多く、値ごろ感も好調な要因だ。

売れ筋は、2本で「速筋タンパク」4.5g配合のちくわ「おいしいものをちょっとだけ」。4本入りが主流のちくわ製品に対して、3本入りで展開し、量より質を求める層からの支持を集めている。1本で4.5g配合のフィッシュソーセージ「速筋タンパクソーセージ減塩MSC」は、通常のフィッシュソーセージより塩分を50%カットしており、減塩商品を求める層に人気だ。
ニッスイ、練り製品など「速筋タンパク」シリーズが堅調/スケソウダラの良質なタンパクを冷食でも訴求
「レンジでできるたらフライ」
「レンジでできるたらフライ」
冷凍食品では、今春リニューアル発売した2枚で4.5g配合の「レンジでできるたらフライ」が堅調に推移。食卓のおかずにも最適な大きめサイズのタラのフライで、レンジアップで出来上がる簡便性から需要をつかんでいる。

拡販に向けては、昨年は中高生のテニス大会で試食提供を行っており、購買層の裾野拡大に向けた施策を今後強化していく方針だ。「アクティブシニアを超えて、あらゆる層に速筋タンパクの有用性を広げていきたい」(増田氏)。業務用では学校給食向けにも展開している。

〈冷食日報2026年6月9日付〉
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