
統計学や機械学習などの技術を活用した不正検知・データサイエンスサービスなどを提供するかっこ株式会社(以下、かっこ)が東京証券取引所マザーズに上場承認された。承認日は2020年11月13日で、同年12月17日に上場を果たす。
かっこは「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、企業の課題解決やチャレンジを支援するSaaS型アルゴリズム提供事業を展開している。2011年1月の創業からおよそ10年での上場となる。
本記事では、新規上場申請のための有価証券報告書Ⅰの部の情報をもとに、同社のこれまでの成長と今後の展望を紐解いていく。
売上高は継続して成長、営業利益も黒字を維持

上図は過去5年間の売上高と営業利益の推移である。2019年12月期の売上高は2015年12月期の1.7倍に成長している。2020年9月期は既に前年度の83%を達成しており、さらなる成長が見込まれる。
また、2020年9月期では営業利益が1億2,834万円に達し、営業利益率が20%に到達した。
SaaS事業を支える3つのサービス
同社は、SaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントである。同社が展開するサービスの種類と特徴は以下の通りである。
(1)不正検知サービス
①不正注文検知サービス「O-PLUX」ECにおける注文データを分析し、代金未回収となり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型の不正注文検知サービス。データサイエンスの技術で独自の検知モデルを構築し、日本語独特の表記ゆれを名寄せする正規化機能(注1)や、IPアドレスやCookie、言語設定など、注文のあった端末を特定するデバイス認証機能を搭載。単純なブラックリスト照合や担当者の目視による審査ではなし得なかった検知精度を実現している。