9月1日。多くの学校で、新学期が始まる日です。

一方、長い休みのあと、学校に行くことをしんどく感じる子どももいます。この時期に子どもの自殺が増える傾向もあり、「9月1日問題」とも呼ばれています。

新学期に「助走期間」を

こうした中、学校や地域が負担を減らそうという動きも出ています。大分県臼杵市では、去年から市内の小中学校で新学期をゆるやかに始める、「リラックス・スタート」に取り組んでいます。どんなものなのか、臼杵市教育委員会学校教育課 安東 憲雄さんに聞きました。

臼杵市教育委員会学校教育課 安東 憲雄さん

本市が取り組んでいるリラックス・スタートは、授業を午前中で切り上げて給食後に下校とし、部活動も原則お休みにする取組みです。子どもたちも先生方もしっかり「助走期間」をとることで、少しずつリズムを取り戻すことをねらいとしています。昨年度は学校現場から「保健室に来る子が少なかった」という報告があり、子どもたちが、よりよいスタートを切ることができたのではないかと感じています。 この取組みは、不登校対策の特効薬というわけではないですが、新学期をスムーズに踏み出すための1つの手立てになっているのかなと捉えています。 

この取り組みは、先月25日からきのうまで、市内すべての小中学校18校、およそ2000人を対象に行われました。子どもが早く帰る分、先生も午後に、授業の準備などに充てるまとまった時間が取れるそう。こうした休み明けの負担を軽くする取り組みは、各地で出ています。山梨県や青森県などの公立学校でも、夏休み明けの数日間を午前授業にする動きが広がっています。

学校でも家でもない居場所

ただ、学校側が負担を軽くしても、登校そのものが難しい子もいます。そこで、学校以外の選択肢の一つとして知ってもらおうと、「じどうかんもあるよ」という呼びかけが行われています。実際、児童館はどんな場所なのか。0歳から18歳までが利用できる、東京・町田市の子どもセンターただON 館長 石﨑敦子さんに聞きました。

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東京・町田市の子どもセンターただON 館長 石﨑 敦子さん

子どもセンターはどんな子にとっても同じように自分らしく過ごせる場所です。子どもの味方とか、子どもの立場に立つことを大切にしています。学校に行かないで来る子もいるんですけれども、そういった子にも「そうなんだ」っていうことで、特に追い出したりすることはしていません。過ごしやすい居場所であるように、職員は話がしたければ話を聞くし、静かに過ごしたければ様子を見守るようにしています。子どもセンターを知らない子とか来たことがない子にも、こういった自由に過ごせる場所、話ができる場所があるんだよっていうことを知ってほしいです。 

「じどうかんもあるよ」は、全国の児童館を支援する児童健全育成推進財団が、夏休みが始まる7月中旬から自殺予防週間が終わる9月16日まで、全国およそ4300か所ある児童館に協力を呼びかけている取り組みで、ポスターやカード、SNSなどで、児童館という選択肢を子どもたちに知らせています。ただONでは、1日、多い日は300人から400人。年間ではおよそ7万人が利用しています。

夏休み明け、無理をさせない 学校と地域の新学期対策

夜9時まで開いていて、これはもともと中高生から「夜も使いたい」という声が上がったことがきっかけです。

普段から顔を合わせているからこそ、職員も「きょうは元気がないな」といった変化に気づきやすいそうです。

子どもたちが語る「ただON」

取材に伺った日は、ちょうど夏祭りが開かれていて、かき氷やゲームコーナーを子どもたち自身が手伝ったりと、館内はとても賑わっていました。そこで、お祭りを手伝っていた子どもたちに、夏休みが終わる今の気持ちや、ただONが自分にとってどんな場所なのか聞きました。 

▶︎学校始まってすぐ文化祭があるからすごい楽しみですけど、勉強が難しいので始まって欲しくないっていう気持ちもあります。自分がちょっと気持ち沈んでても、ちっちゃい子がキャッキャ遊んでるの見ると元気が出るので、行きたいなって思います。

▶︎友達にも会いたいから1週間ぐらい(夏休みが)伸びたら嬉しいです。先生とか親とかでもなくてなんか話しやすいし、でも友達みたいじゃない。ちょうどいい、話しやすい存在。

▶︎学校に行くときにも行けるし、そこで何か嫌なことがあったらそういうのを相談できる場所だったり、もう家まで帰る元気ないなっていうときに寄れるっていうのもいいなって思いました。

▶︎閉館までいるみたいなことが多いです。なんか自分的には夜までいるのも楽しいし、いろんな職員さんと話せてていいのかなっていうのはあります。今日はあった嫌なこととかも全部話したりとかするから、すごい楽しい。

話を聞いたのは、お祭りの企画や館内のルールづくりに関わる「子ども委員会」のメンバーです。小学3年生から18歳までが参加しています。インタビューの中には「家ではどうしても「お姉ちゃん」として見られるけど、ここではのびのびできる」という声もありました。

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ただONでは、友達と遊んだり、宿題をしたり、中には寝て過ごす子もいます。児童館というと「遊ぶ場所」というイメージがありますが、その「ただ遊びに行ける場所」が、学校や家とは違う居場所にもなっているそうです。困ってから支えるだけでなく、普段からつながっておくことも大切ですね。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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