東京の多摩地域にお住まいの方、出身の方もそれ以外の方にも多摩を愛していただきたい、多摩について考えていただきたいという番組「立飛グループpresents東京042~多摩もりあげ宣言~」(略して「たまもり」)。MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。

今週のゲストも、ライターの北尾トロさん(日野高校卒業)。先週の「多摩の町中華」特集から一変!今週はトロさんのフィールドワークの狩猟の話から最近ハマっている合唱団の話、人口5位の都市観光など。そして、トロさんが「多摩」について書くなら・・・!?

「多摩のクセを生かした探偵小説」の構想とは?!~北尾トロさん(日野高校卒業)②

猟師として10年のベテランに!

土屋:今週もゲストの方のご紹介です、先週に引き続き、ライターの北尾トロさんです。今週もお願いします!

トロさん:はい、お願いします。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん...の画像はこちら >>

土屋:改めて北尾トロさんのプロフィールの紹介をつる子さんからお願いします。

つる子:はい。北尾トロさんは、1958年生まれ、福岡県のご出身。2010年にノンフィクション専門誌「季刊レポ」を創刊。2015年まで編集長を務められました。「町中華探検隊」の初代隊長で、山田うどんや裁判傍聴、合唱団、猫部など様々なジャンルを取材、たくさんの本を出されています。2012年に長野県松本市に移住し、狩猟免許を取得。猟師としても活躍中です。

土屋:トロさんの活動について色々と伺いたいんですけど。

前に「たまむすび」でも伺ったんですけど、現在猟師としても活動されているんですよね?

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:まだやっているんですよ、珍しく続いていて。だいたい5年で飽きるんですけど、もう10年以上続いていて。ベテランハンターの域に。

つる子:おお!

土屋:10年も続くというのは猟師はそれだけ魅力があるということですか?

トロさん:そうですね、おもしろいですよね。相変わらずあまり獲れてはいないんですけどね。当たらないんです。

つる子:(笑)。

トロさん:当たらなくてもおもしろいだから。まあ当たることもあるし。たまに当たるからすごく感動するというのもあって。

土屋:なるほど。

トロさん:超早起きして、クルマを飛ばして長野まで行って。

日の出を待って。猟が出来るのは日の出から日没までですから。あちこち移動しながらチャンスを伺うというのがすごく楽しくなっちゃって。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

土屋:じゃあ丸一日ということですか?

トロさん:あっという間ですね。午後になったら(日没が近い!)って。

土屋:獲れたら、それを捌いて食べるんですか?

トロさん:もちろんもちろん。解体だけは。自分で全部やりますよ。いろんな人から同情されて肉をもらうので、シカとかクマとかイノシシとか。自分で下手なりにやってみたりして。なので、料理の方はね。

土屋:今まで獲って食べて美味しかったのはどういう料理がありますか?

トロさん:僕はシカが好きなんですよ。

シカのステーキはもちろん美味しいですし・・・やっぱり「シカのしゃぶしゃぶ」かな、シカしゃぶ!これはいいですよ!

つる子:ええ!?

トロさん:冷凍したお肉を半解凍して薄く切って。シカしゃぶは家族にも大好評。

土屋:大不評もあるんですか?

トロさん:不評というか、クマは独特だし。イノシシは美味しいんだけど脂が多くて女性にとってはこってり感があったり気にしたりして。シカはヘルシーだから。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

朝6時くらいから野菜作り

土屋:そしてトロさんは猟師をやられながら最近は「野菜作り」も・・・?

トロさん:今朝も畑に行ってきました。暑いので朝6時くらいには行かないと。

つる子:ええ!?

トロさん:畑はもうリタイアしたオジサンだらけです。

つる子:流行ってますよね!

土屋:やっぱり土に還るのかな!?

トロさん:やり始めると水をやったり世話しなくちゃいけないんで。

土屋:今は何を作っているんですか?

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:夏野菜だから、ナスがわんさか出来過ぎちゃって。ナス、トマト、パプリカとか。きゅうりはだいたい終わりになってきて。ズッキーニはしぶとく出来てきて。

(オレの世話のおかげだ!)って喜びがあるんですよ。

土屋:猟師をやって野菜を作って。肉と野菜、最高ですね!

トロさん:本業が蔑ろになって(笑)。

トロさんと「合唱団」

土屋:問題はここからです。狩猟と野菜作りはまあわかる。今取り組んでいるお仕事が・・・「合唱団」?

トロさん:はい、合唱団。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

つる子:(笑)。

土屋:他とあまりリンクしないですよ。どうして合唱団なんですか?

トロさん:妹が「青梅」にいたり、母が「福生」にいたりと、わりと多摩が多いんですよ。親戚の1人がお亡くなりになった時があって、その人が合唱をやっていたんですよ。でも僕は興味が無かったから聞き流してた。告別式が終わるじゃないですか。ドアを開けたら「青梅森林合唱団」の人が歌いだしたんです。

2曲くらい歌ったのかな、感動しちゃって!

つる子:はい。

トロさん:オジサンは会社の偉い人だったのかもしれないけど、最終的に歌う人として送り出されたのだなっていうのが実感として。そう考えると親戚に合唱経験者がたくさんいて、(やればいいのに~)って散々言われたなって思って。(どんなのだろう!?)と思って近所の公民館に行ったら、募集していたんですよ(笑)。

土屋:おお、合唱団員募集!

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:そうそう。それでちょっと入ってみたのが3年前くらいですね。

土屋:もともと、歌を歌ったりは・・・?

トロさん:いえいえ、別に。合唱団ってどんなのかな~?って興味で募集の紙を見たら・・・その頃僕は60代半ばですよ、<最年少だね!><若いのが来た!>って言われて。

つる子:(笑)。

土屋:へえ!

トロさん:<全然歌えなくても気にするな!>とか。あとは風邪をひいて喉が・・・という時も<いいんだよ、口パクで!>って。

つる子:(笑)。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:それでおもしろくなってきて。やると気持ち良くなるというか。カラオケで歌うのって1人じゃないですか。自分のために歌っているんですけど、合唱はみんなで一つになれるというんですか、声で一つになるのが合唱だから。調べていくと歴史もあるし。日本って世界的に見ても「合唱大国」というか、合唱人口が多いんですよ。音楽の授業でずっとやっていたじゃないですか。♫カッコーカッコーと輪唱とやっていたのを思い出して。

つる子:やりました。

トロさん:やっていくと、年に1回、文化祭みたいなのがあって。そこで発表することをみんな目標に頑張るわけですよ。合唱は何が楽しいのか!?わからなかったんですけど、自分も合唱に参加してみると、(上手い!)とかコンテストの勝ち負けとかどうでもよくて。(みんなで楽しもう!)(長生きしようぜ!)とかそんな感じで。ついでに、みんなの生存確認もやっているという。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

つる子:(笑)。

土屋:歌うってすごい運動ですよね。全身運動だから。

トロさん:それをやっているうちに、みんなに(合唱っていいよ!)って言うんですけど(は?)とか言われて誰1人関心を示されなかったんだけど。たった1人だけ、<合唱やっているらしいっすね!私と本を作りませんか!>という女性が現れて。<なんで?絶対に売れないよ!?>って言ったら、<私、ガチでやってました!><Nコン、出てました!>って(笑)。

つる子:あら。

トロさん:今、その人と本を作ろうと。

土屋:どういう本になるんですか?

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:本を作りたいっていう人は長野の人なんですけど、長野にプロじゃないんだけど男性合唱団「善」というのがあって、善光寺の善。その合唱団の取材をしています。

つる子:へえ!

トロさん:アマチュアっぽい自分の体験と、「善」はオジサン達のなんとも言えない親睦団体というか。でも、コンサートをやると2000人くらい入るんですよ!

土屋&つる子:すごい!!

トロさん:びっくりでしょ。2年に1回あるんですよ。最初、それを見に行って(すごい!)と思って、今取材しているんですよね。

「各県で5番目に人口が多い所を旅している」とは!?

土屋:トロさんの活動でもう一つ。まったくリンクしないです。「各県で5番目に人口が多い所を旅している」という。

トロさん:そうなんです。これは何ってわけではないんですけど(笑)。“5番目”に別に根拠は無いんですけど、友達とどこかに旅行に行きたいなという話をしていて、もう観光旅行は興味無いし、だいたい行ってるじゃないですか。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

土屋:はい。

トロさん:日本中行ったしなあと言っていたんですけど、よく考えたら行っている所は県庁所在地のような都会、それから大観光地、あとは山とか海とか田舎ですよね。この間にある“普通の所”って全然知らないって。

土屋:多摩地域と同じ立ち位置ですね。

トロさん:そうですね。ちょっと検索して、最初たまたま<福島県で知っている町ある?><じゃあ人口でやろうか?>って。<福島市でしょ・・・><違う!>って。1番人口が多いのは福島市ではないんですよ。

つる子:ああ、そうか。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:そういう具合で、「郡山市」「福島市」という。でも、郡山は行ったことがあってわかるじゃないですか。人口の4番目あたりから怪しくなってくるわけですよ。

つる子:(笑)。

土屋:地元の人はわかっても、たしかに言えないよね。

トロさん:<じゃあ栃木県はどうだ!?>ってやっていくと、4番目くらいから本当に怪しくなってきて。でも4番目はまだ聞いたことはある。鬼門は、5番目ですよ!

つる子:(笑)。

トロさん:5番目になると、僕たち2人にとっては知らないねってなるわけです。<じゃあ5番目に行ってみるか!>って。最初に福島県の5番目・・・「須賀川市」!

土屋&つる子:ええ!?

トロさん:円谷英二の出身地で、ウルトラマン博物館があるんですよ。それくらいはライターだからうっすら情報としては知っていたけど、どんな所か想像もつかないので行ったら、これ、素晴らしい所!

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

土屋&つる子:へえ!!

トロさん:びっくりしたんですよ!すごい歴史もあって。駅前や街を歩いてもチェーン店が1つも無い!チェーン店はちょっと離れた国道4号線に山ほどあって。駅前とか昔からの旧市街にはまったくない。だけど、飲み屋はいっぱいあって。で、なぜか夜の宴会をするようなそういうお店がいっぱいある。

土屋:言っても5番目だから人口はそれなりにいるからってことなのかな!?

トロさん:10万人くらい。まず、図書館に行って調べて。で、夜、飲み屋に行って聞き倒して。そしたら段々とわかっていくじゃないですか。「須賀川」と言えば昔、宿場町で栄えていて芸者さんもいて。その名残で今も宴会とか会合とかが盛んと言うことがわかってきて。で、翌日もう1回図書館に突撃して、もっと詳しい人はいないかって。須賀川市の資料を出してもらって。それをやったら、すごく楽しかったんですよ!

土屋:5番目、いいね!

つる子:おもしろい!

トロさん:そのあと茨城県・・・5番目は「土浦市」ですけどね。この前は新潟県に行ったの。5番目は「三条市」!これがまた素晴らしい!刃物で有名な所で、町としても小さい工場とか社長の数が多いので、飲屋街で<社長っ!>って言うと一斉に振り向くという伝説が(笑)。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

つる子:(笑)。

土屋:われわれ多摩の番組としては多摩地域として5番目はどこだろう・・・。スタッフが調べてくれて、「八王子」「町田」「府中」「調布」に次いで、5番目は「西東京市」!

つる子:最高(笑)。

トロさん:ここは今でこそ5番目だけど、昔は田無と保谷に分かれていたわけだから。歴史を辿ると、田無勢力と保谷勢力が今はどうなっているのか、とか。人口20万人いるからすごいですよ。鳥取県なんか市が4つしかないんですよ!

つる子:えっ、そうなんだ!

トロさん:5番目は「町」。ここは最後のお楽しみにとっておこうと思って(笑)。

つる子:(笑)。

トロさん:今はたまたま人口を軸にしただけで、何でもいいから何かのデータで比較、そこに引っ掛かったものをじゃんじゃん行っちゃうと。多摩に住んでいても「中央線」の人って「京王線」にあまり乗らなかったりするじゃないですか。いろんな所に行けていいと思いますね。

“多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!

土屋:そんなトロさん目線で、多摩で本を出すならどういう企画がありそうですか?

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:多摩って埼玉のカルチャーと神奈川のカルチャーと混ざったような、“~べえ”“~じゃん”言葉があったりするわけですよ。僕の友達は「檜原村」でパン屋さんをやっていて、お祖父さんはきこりだったそうですからね。そういうのって地方の人は知らないじゃないですか。

つる子:はいはい。

トロさん:世田谷の人も「立川」の人も“東京人”と言うことになっているけど、違うじゃん!って思うわけですよ!<オレたち、市外局番が0425-だったじゃん!>って。

土屋:そうそう。途中から3桁になって。

トロさん:でも、多摩には多摩の、多摩にずっといると気付かない良さ、クセを生かした小説とか。“探偵モノ”とかすごく良いなと思っていて、情けない私立探偵とか(笑)。

つる子:おもしろそう(笑)。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

トロさん:23区で頑張っていたんだけど、ついに打ちひしがれて多摩に戻ってきちゃったというところから始まる。高校時代の仲間が大人になって一端のクセのある連中に育っていって、アベンジャーみたいになるという。

土屋:おもしろい!

トロさん:僕の頭の中では同級生に結婚相談所を開いた女性がいて、そこに結婚詐欺などいろんな事件など出来事があって、<おまえ、ヒマだろ?>って言われてそこに駆り出されていくわけですよ。そういうのが連作であるという。誰かに書いて欲しいな。

土屋:住んでいると多摩らしさがわからずいる人もいるから。

トロさん:やっぱり多摩を出していかなきゃダメよ。多摩を隠してきた。多摩の人は隠しがちでしょ。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

つる子:(笑)。

土屋:それは本当にそう思います!

トロさん:どんどん多摩を出していかないと!

つる子:出していきましょう!

土屋:そういう意味では、この番組は画期的!

トロさん:そうです、「東京042」とタイトルから出てますからね。大胆不敵。

つる子:(笑)。

土屋:嬉しい。ちょっと勇気が湧いた。トロさん、お知らせを!

トロさん:狩猟シーズンも近づいてきてソワソワしちゃう。夏野菜が終わったら射撃場に行ったり。あとは、合唱団の文化祭があるので。

土屋:またぜひお越しいただきたいと思います。2週に渡ってお話を伺いました、ライターの北尾トロさんでした!ありがとうございました。

トロさん:ありがとうございました。

”多摩のクセを生かした探偵小説”の構想とは?!~北尾トロさん

(TBSラジオ『東京042~多摩もりあげ宣言~』より抜粋

編集部おすすめ