TBSラジオからバービーがお送りする「週末ノオト」(毎週土曜13:00-14:55)毎月3週目のパートナーは、藤森祥平アナウンサー。

藤森祥平「”哲学”について考えてみた」

「哲学について考えてみた」/ゲストは小児神経科医の友田明美先...の画像はこちら >>
アナウンサーコラム「〇〇について考えてみた」。今回は「哲学」について。
とは言っても、哲学の深い世界を考察するのではなく、哲学というものを通じて、藤森さんが感じたこと。きっかけは、去年12月に出た星友啓さんの著書「スタンフォード式生き抜く力」。星さんは、進学校として全米トップの評価を受けるスタンフォード大学オンラインハイスクールの日本人校長。この学校では、教育の土台の出発点に、哲学的アプローチを取り入れているんだとか。中学生の娘がいる藤森さん、この本をきっかけに、学校教育における「哲学」について調べてみました。藤森さん自身が中高生の頃は、授業として「哲学」はありませんでしたが、今では取り入れる学校も多く、その中で分かったこととして、哲学的アプローチには、3つの原則がある。
「人の話を聞く」「相手の考えを理解する」「自分の考えをみんなに伝える」この3本柱から藤森さんが感じたことは・・・
「哲学について考えてみた」/ゲストは小児神経科医の友田明美先生
藤森:私も、会社の新人研修の講師の一員として考えた時に、何をどう教える・伝えるべきか。時代もどんどん変わっていく中で、自分の経験則とか、この先どうなるのか、どこまで通用するかって話しますね。でも分からないし。バービー:うん。藤森:でも、哲学的アプローチのことを知って思うことは、まさに、人の話を聞くとか、相手の考えを理解するとか、自分の考えを自分で伝えるって、アナウンサーに一番必要なのかなって。これ多分、普遍的な大事な要素なんじゃないかなって、ハッて気付いて。
バービー:特に取材とかする上では。藤森:インタビューもそうだし、スタジオのフリートークもそうだし、原稿を読むことだって、やっぱりそういう想像力が無いといけないし。バービー:ほんとそうですね。藤森:だから自分がやってきた技術とか、現場のことに固執するんじゃなくて、こういうことを一緒にやってこうよっていう・・・。バービー:そっかぁ。そうですね、藤森さんに新しい時代のすべての答えがあるわけじゃないっていう。
藤森:絶対無いから!(笑)分かんないですもん!でも、やればやるほど、そこが大事なんだって気付いたことだけでも、まずはいいのかなって。
「哲学について考えてみた」/ゲストは小児神経科医の友田明美先生

2時台は小児精神科医の友田明美先生

ゲストは、小児発達学、小児精神神経学が専門で、福井大学・どものこころの発達研究センター教授・センター長の友田明美先生。今回ご出演いただいたきっかけは、以前ゲストにお迎えした益子直美さんのご紹介。益子さんが「子供に怒ることで、脳にどんな影響があるのかも分かってきている」とおっしゃっていたんですが、友田先生は、まさにその研究をされている方。今回はリモートでのご出演となりました。
「哲学について考えてみた」/ゲストは小児神経科医の友田明美先生
友田先生によると、親や養育者から何度も怒られると、子どもの脳が、物理的に傷つき、変形していくことが研究で分かっているそうで、体罰だけでなく、言葉による精神的なストレスも同じなんだとか。
しかも、子どもへの直接的な被害だけではなく、両親の激しいケンカを見聞きすることでも、脳にダメージを与えてしまうそうです。バービー:実際にデータとして、研究結果はあるんですか?例えば、虐待を受けた人たちとそうじゃない人たち・・・。友田:あざが出来るほど、厳しい体罰を平均で約8年間受けた人23名のグループと、まったく体罰を受けたとこが無い22名のグループを比べたんですが、そうしたら、前頭前野、理性や感情を司るところなんですが、体罰を受けてきた人たちは、その前頭前野の一部が小さくなっていた。平均で19%です。バービー:19%!友田:本当に予想外で、驚いたぐらいです。
「哲学について考えてみた」/ゲストは小児神経科医の友田明美先生
友田先生のお考えでは、とにかく怒らず、褒めてあげることが大切。
そんなお話を聞いていくなかで、バービーさんが気になったことが・・・。バービー:脳科学の先生だからこそ聞きたいんですが、正直、私、子どもの頃、納屋に閉じ込められたりとか、めちゃくちゃ厳しく育てられてきたんですけど、比較的、自己肯定感高めなんですね(笑)。こういう事もあり得るんですか?友田:厳しかったのがお母さんがお父さんか分からないんですが、それ以外の養育者、例えばおじいちゃんおばあちゃんなど、親に代わるような安定した「愛着対象」がいらっしゃったのかもしれません。身内にいなくても、幼稚園や保育園、学校の先生、そういった人たちとの出会い、安定した愛着対象と出会うことで、回復力、レジリエンスが出てくるんですね。バービー:え?レジリエンス?それはなんですか?友田:ストレスを跳ね返す弾力性。脳を傷を受けてダメになるんだけじゃなくて、それを跳ね返す弾力性・回復力を持っているという事です。
その時に大事な存在が、愛着の再形成を促してくれるような存在。おじいちゃんおばあちゃん、ご近所のおじさんおばさんでもいいですよね。愛着の対象になるような人がいれば、しっかり回復していくことも十分可能なんですね。ですから、私は共同子育て、略して「共育て」と言ってるんですけど、家の中で親御さんだけが子育てに関わるんじゃなくて、地域社会が育てていくという視点、子どもは社会の宝ですから、次の世代を担ってますので、みんなで助け合いながら子育てをしていくという事を、強調して皆さんに推進してるところなんですね。
「哲学について考えてみた」/ゲストは小児神経科医の友田明美先生
それでは最後に、来週8月28日のお知らせ。パートナーは、高畑百合子アナウンサー。産休前の最後の出演です。ゲストは、パラアスリートのマネジメントなどを行っている一般社団法人センターポール代表、田中時宗さん。お楽しみにー。