水産養殖は将来的な人類の食料問題を考える上で重要な産業だ。しかし経営上の課題も多く、業界の高齢化やコスト面はいち早く解決したい問題である。

そこで、UMITRON PTE. LTD.(以下、ウミトロン)は、給餌のコスト削減と水産者の労働負担を減らすため、「UMITRON FAI (Fish Appetite Index)」を開発し実装を開始した。

水産養殖の現状

海上に浮かべた生簀で魚を生育する水産養殖。そのコストのほとんどは餌代である。水産者は魚や海の状態を逐一観察し、経験に基づき給餌を行う。

しかし、天候などの条件により長い間生簀を観察できない状況も生まれる。結果、最適な給餌ができず、無駄な給餌を行うケースは少なくない。また、船で一つひとつの生簀を継続して回らなければならず、高齢化が進む中で給餌に費やす時間は水産者の大きな負担となっているのが実状だ。

一つの生簀にかける時間が短縮されれば、水産者の負担は減り、うまくいけば管理する生簀を増やすことも可能になるかもしれない。

リアルタイムな観察で、給餌を自動化

世界初! ウミトロンが、魚の食欲を学習し自動で餌を与えるシス...の画像はこちら >>
「UMITRON FAI」は魚の食欲を時系列でデータ化する。複数の生簀を撮影した動画から客観的に給餌の戦略を打ち出すのだ。

既にウミトロンが開発しているスマート給餌機「UMITRON CELL」と連携すれば、短期間で給餌に関する試行錯誤(給餌の時間・量など)を行える。

また、現場担当者だけでなく、社員全体で情報共有することで、今後の給餌計画により多くの人の意見を取り入れることもできるようになる。

海水温や生育段階によって様々に変化する魚の食欲を「UMITRON FAI」が観察、学習、評価するため、水産者が一日中魚を観察する必要はなく、食欲が落ちたなどの重要な場面でのみ現場へ出れば良い。

そして「UMITRON FAI」の自動給餌は魚に最適なタイミングと量を学習するため、早期生育も望め、無駄な餌を与えないため、海を汚さずにも済む。

ウミトロンの展望

ウミトロンは水産養殖とテクノロジーを融合させ、水産業の発展と人類の課題である食糧問題・環境問題に立ち向かうスタートアップ企業だ。シンガポールと日本を拠点とし、水産養殖のコンピュータモデルを開発・提供している。「持続可能な水産養殖を地球に実装する」という目標を掲げ、より安全で人と自然に優しい技術を生み出す。

この度、「UMITRON FAI」などのウミトロンのソフトウェアとの外部システム連携のパートナーを募集している。8月20日から22日にノルウェーで開催されるAquaNor、8月21日から23日に日本で開催されるジャパン・インターナショナル・シーフードショーに参加予定だ。そこで関心のある水産者・企業・団体との商談が行われる。

テクノロジーで現在の課題をクリアし、将来的な不安も取り除ける素晴らしい事業。より多くの水産関係者が連携し、人にも地球にも優しい水産業を発展させてほしい。

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