新型コロナによる重篤者数の爆発が世界各地で起こり、人工呼吸器が不足している。さまざまな研究機関/民間企業が知恵を絞ってこの問題に対処するなか、ミネソタ大学の開発した「Coventor」がアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得たようだ。

このシンプルな人工呼吸器は、使いやすく導入コストも低く抑えられるとのことから、迅速な普及が期待される。チームはCoventorの設計をオープンソースにすると発表、世界で利用可能な状況だ。

・生産や運搬コストが低く抑えられる

本来、安全性の担保が重要となる医療機器が生産ラインに乗るまでには時間がかかる。だが、現在のような非常事態においてはスピードが命。FDAはCoventorの緊急的な利用を許可したようだ。

Coventorは医療スタッフが操作しやすく、コンパクトで生産や運搬コストが低く抑えられるといった特徴を備える。

人工呼吸器のバックアップが増えれば、ひっ迫した医療現場での安心感につながるだろう。

すでに研究チームは、ボストン・サイエンティフィックと提携し、Coventorの生産体制を構築しているとのこと。

・スタンフォード大の人工呼吸器もFDAの承認待ち

簡易的な人工呼吸器はスタンフォード大学なども開発しており、こちらについても間もなくFDAの緊急利用許可が得られる見込みだ。

ほかにもMITが開発したものや、これをもと開発にしたテキサス工科大学のものなど、テスト段階にあるものも多い。Raspberry Piで動かすタイプも設計されており、利用許可と生産設備さえあれば人工呼吸器不足の解消につながりそうだ。

オープンソースのCoventorは、現場のニーズに合わせたカスタマイズも可能とのことで、医療現場への早急な展開が求められる。

参照元:FDA authorizes first-of-its-kind low-cost ventilator developed by University of Minnesota/ University of Minnesota