ノルウェーのスタートアップが、ハリケーンの勢いを弱める「海中バブルカーテン」技術を開発

       

台風やハリケーンとも呼ばれる熱帯低気圧は、近年、各地に甚大な被害を及ぼしている。これを防ぐために、ノルウェーのスタートアップ企業「OceanTherm」が、熱帯低気圧の勢力を人工的に削ぐ技術を開発中だ。

海中に泡のカーテン

熱帯低気圧は、水温の高い海面上で、暖かい空気と冷たい空気がぶつかり合うと発生する。また、海面の温度が26.5℃以上だと、そこからの熱エネルギーを吸収して勢力を増すことが知られている。逆に海面温度が低いと、熱帯低気圧の勢力は衰える。

OceanThermが開発中の技術は、海面の温度を下げることで熱帯低気圧の勢力を削ごうというもの。

どうやって海面温度を下げるのか、というと、具体的にはこうなる。

まず、海底に何本ものチューブを敷く。そのチューブにはいくつもの穴が開いており、空気を送り込むとそこから無数の泡が出る。その泡が一斉に上昇すると、上方向への海水の流れが出来、海底にあった低温の水が泡と一緒に海面近くへ運ばれる。その結果、広範囲の海面温度が下がるというわけだ。

チューブから一斉に湧き出る泡が、まるでカーテンのようなので、この技術には「バブルカーテン」という名がつけられている。

実地テストで効果を検証中

OceanThermは、小規模な実地テストをすでに終わらせている。ノルウェーで行われたそのテストでは、深さ50mの海底からバブルカーテンを発生させ、海面温度を 0.5℃下げることができた。

0.5℃という数字はわずかで、熱帯低気圧に対する効果は期待できないが、これは50mという深度が浅すぎたかららしい。より水温の低い水深150m~200mでのテストが今後予定されているようだ。また、次回のテストは、実際に多くのハリケーンが通過するメキシコ湾で行われるもよう。

OceanThermはノルウェー政府やノルウェー研究評議会、ノルウェーの投資家グループ「MTI-Startup」などから資金援助を受けている。

OceanTherm

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2020年10月2日のIT記事

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