高畑淳子は56歳という年齢から、幼児の孫がいる設定の役柄も演じる。子役の母親は俗に言う“ステージママ”タイプが多く、子供の演技指導や挨拶の仕方まで口うるさい人もいるらしい。
あるドラマで共演した子役の母親の話だ。高畑が出番を終えてスタジオを出ようとした時、「おばあさんが帰るわよ。」と大きな声が聞こえた。子役の母親だった。
「おばあさんに、ご挨拶しなさい! おばあさん、おばあさんによ。」この“おばあさん”の連呼に、酷く傷ついたという高畑。確かにおばあさんの役だけど、「アンタのおばあさんじゃない!」と母親の首を絞めたくなったくらい、不愉快だったと話す。
「だけど愛菜ちゃんのお母さんは、違うの。」と、『Mother』で共演した高畑は語る。芦田愛菜の母親はドラマの撮影中は、スタジオの奥で目立たないように控えている。食事の時間だけ愛菜ちゃんにエプロンを着けさせたりと、世話をする。そして撮影が再開されると、またスタジオの奥に戻って行くという。
そんなお母さんに育てられたためか、芦田愛菜には子役特有の生意気さが感じられない。少しお行儀が良すぎるかな―とも思うが、子役といってもプロである。仕事に対する心構えが、しっかりしているのだろう。あるお店で安住アナにさくらんぼ柄の風呂敷をおねだりする姿は、本当に可愛らしく微笑ましかった。女優歴34年の高畑といえども、やっぱり名子役には勝てない。
(TechinsightJapan編集部 みやび)