リーアムの妻のナターシャがカナダ・モントリオールのスキー場でレッスン中に頭部を打ち、搬送されたNYの病院で亡くなったのは、09年3月のこと。
妻が収容された病院に駆けつけたが、入室を拒否されそうになったと語るリーアム。「混乱状態のERで誰も自分が誰だか気づいてもらえず、妻のところにたどり着くまでにとても時間がかかり、病院のスタッフを押しのけてしまいそうになるくらい苛立った」という。しかしナースの1人に映画『シンドラーのリスト』に出ていたリーアムを認識してくれる人がおり、ようやく妻に会えたものの、若い医師にその場で最悪の事態を告げられたということだ。
そして受け入れがたい妻の死。リーアムはひたすら仕事に逃げ込み、没頭することで、悲しみを乗り越えようとした。「自分が何歳なのか十分に分かっているし、もしも肩のケガをしたら、それくらいで映画『96時間』みたいな激しいアクション映画の主役を逃してしまう可能性だってあった。だから、トレーニングを必ずやり、仕事も欠かさなかった。仕事の計画をたくさん立てるのは簡単で、効果があったね。」
しかし、どんなに仕事をしても妻を失った悲しみは戻ってきた。「これが不思議なところなんだけど、悲しみってやつに対して準備は出来ない。悲しければ泣いて、立ち直ればいいと思うだろう。
当初妻の死について聞かれ話すことを渋っていたが、ところどころ言葉を詰まらせ、途中で目をしばたたかせながら、徐々にこれらの話を語ったというリーアム。折しもインタビューの場所は、ナターシャとの行きつけのレストランで、二人の思い出の場所だったそうだ。
仕事は「没頭している」というだけあってノリに乗っているリーアム。新作の主演サスペンス映画『身元不明(原題=Unknown)』も全米公開されたばかりだが、彼の悲しみが癒える日はいつかくるのだろうか?
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)