アントニオ猪木といえば昭和時代にプロレス全盛期をつくりあげた中心人物である。『コブラツイスト』、『卍固め』、『延髄斬り』などの必殺技は彼の代名詞となるほどそのインパクトは強い。そのアントニオ猪木が8月26日にテレビ「笑っていいとも!」のコーナー『ドヤテクZ』に登場して特技を披露した。
『ウーロン茶を1瞬で飲み干すゼーッ!』と紹介されると猪木の前にはコップ1杯のウーロン茶がさりげなく置かれた。まさかあのアントニオ猪木がコップのウーロン茶をすばやく飲んで『特技』と終わらせるはずがない。誰もが「何かが起こる」と期待する空気が漂ったのである。
すると、猪木は躊躇することなくそのコップのウーロン茶を口に放り込んだのだ。飲んだのではない『放り込んだ』のである。計ったわけではないがその間約0.5秒で1秒はかからなかった。そしてそのまま流し込むように飲み込んでしまうまでが1秒程度だったと思われる。
「えーーー!」と周囲はあまりの早業に何が起きたかしばし理解できなかったほどだ。
だが、8月28日に放送された「笑っていいとも!増刊号!」では舞台裏での取材を担当する渡部陽一(戦場カメラマン)が「あの技はいつ頃会得されたものなのですか?」とその質問を引き継いでくれたのだ。アントニオ猪木は笑いながら「本当はビールなんですよ、焼酎でもいいです」と答えると渡部が「あのスピードは見たことが無いです」と改めて驚きを伝えた。「今までに負けたことは無い」と猪木も話しており、プロレス界で最速だと自信を持つ特技なのだ。
アントニオ猪木は「師匠の力道山から一升瓶でラッパ飲みをさせられましたから」といった若い頃の思い出を話してくれた。それに対して渡部陽一が「一升瓶でですか?」と驚くと、猪木は「あそこまで速くは無いけど回しながら飲んでたね」とビンを回して渦を作って飲む仕草をして見せた。まさか、コップのように一瞬というわけにはいかないがその手馴れた様子からは一升瓶の酒を凄い速さで飲んでいた猪木の姿が見えるようだった。
これは、昭和30年代頃の思い出話であり、しかも鍛えに鍛えたプロレスラーの話だ。今ではアルコール類の一気飲みは危険とされているので決して真似しないようにしていただきたい。特技を磨くならばウーロン茶でも見ごたえはあるので十分だ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)