『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』(フジテレビ)の第4回目に書道部門で出場したAKB48仁藤萌乃が、並み居る有段者を相手に優勝した。同番組は芸能人の中でも実力者が揃うことで知られており、手に汗握る緊張感の中で勝ち取った“TEPPEN”だった。
AKB48では前回にピアノ部門で松井咲子がTEPPENを取っており、同グループで2冠は初めての快挙となった。

AKB48からHKT48への移籍が発表された指原莉乃の話題で、日本中が騒然としていた6月16日の夜。AKBメンバー仁藤萌乃が挑戦した“土曜プレミアム 芸能界特技王決定戦『TEPPEN』”が放送された。今年の1月7日に正月番組として放送された第3回目では、ピアノ部門で現役音大生のAKB48・松井咲子が優勝し“TEPPEN”となった。その時に決勝戦で敗れたのが、料理研究家でピアノ経験者でもある森崎友紀だったのだ。

その森崎が書道有段者の中でも最高位の特待生として、今回は書道部門に挑戦してきた。書道4段の仁藤萌乃も出場したことで、またしても森崎はAKBを相手にすることになったのだ。MCのネプチューン原田泰造が「前回のピアノ部門で負けた時は、裏で泣いてましたからね」と森崎の悔しさを代弁していた。

同番組ではこれまでも、出場者が対戦する会場には「魔物が棲む」と言われてきた。対戦相手はもちろん、ゲストや審査員には著名人がそろう。さらに多数の観覧客から注目される中での対決は大きなプレッシャーとなり、挑戦者にも思いも寄らないことが起きるからだ。

番組の収録は5月27日に行われており、『仁藤萌乃オフィシャルブログ』で彼女は「緊張したけど、その分凄く楽しかったし良い経験になりました~」と心境を綴っている。
また、森崎友紀も『Unity Magenta Blog』で、対戦直前に「15年来弾いていなかったピアノに続いて、今度は20年来。再度本気で挑戦し、披露します」と課題を練習する様子を公開している。さらに森崎が収録を終えた後で「出場するみんなのピリピリした雰囲気。半端ないですよ」と明かしているように、今回の書道対決は“魔物”が暴れまくったのだ。

出場したのは、Aブロックに森崎友紀(特待生)、磯野貴理子(7段)、若林豪(段なし)、AKB・仁藤萌乃(4段)。Bブロックは皆藤愛子(5段)、アンガールズ・山根良顕(7段)、我が家・坪倉由幸(段なし)、生野陽子(特待生)で1回戦は抽選で決まった10画の漢字を書いて競う。審査員は青山浩之氏(横浜国立大学准教授・書道家)と金田石城氏(全日本書道芸術院理事長)の2人で各自50点ずつを持ち100点満点で採点した。

1回戦の課題と点数は、森崎友紀(『桜』88点)、磯野貴理子(『悟』82点)、若林豪(『速』71点)、仁藤萌乃(『笑』89点)となりAKB仁藤が勝利したのだ。1ポイント差で敗れた森崎は「前の二の舞ですね。なぜ、AKBに勝てないのか。時代もあるんですかね?」と、またしても悔しさを噛み締める結果となったのである。

大波乱が起きたのがBブロックだった。
書道特待生の生野アナが圧倒的に有利と見られたが、結果は皆藤愛子(『恵』67点)、山根良顕(『恋』59点)、坪倉由幸(『涙』47点)、生野陽子(『華』61点)と全員に魔物が降臨したかのごとく筆を持つ手が震えてしまったのである。期待の生野アナも筆を二度置きしてしまい減点の対象となった。

苦しい戦いを勝ち抜いた仁藤萌乃と皆藤愛子が決勝戦に進出して、課題の『心の糸』を同時に書いて争った。漢字一文字に比べて三文字ではバランスのとり方で別の難しさがあり、皆藤は原田泰造が「バランスが悪いのかな」と感じたほどに下に余白が空いていたのだ。結果は仁藤が88点で皆藤が84点となり、仁藤が書道の部で“初代TEPPEN”に輝いたのである。

ネプチューンの名倉潤は、「あれだけのプレッシャーの中でよく頑張った。AKB恐るべし。いろんな才能がいる」と優勝旗を手にして心地よい疲労の表情を見せる仁藤を称賛していた。

ピアノ部門で優勝した松井咲子が現役音大生ということは有名だったが、仁藤萌乃が書道の有段者だと知る者は少なかっただろう。AKBにはまだまだ意外な才能が潜在しているかもしれない。その誰かによる次の活躍が楽しみである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉
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