
ひょっとしたら自分が「主演女優賞」のオスカー像を握りしめることになるのかも知れない。そう思ったら、ベテラン女優ですらメディアのマイクに向かって「胸がいっぱいで食事も喉を通らないわ」などと言うものである。だが、22歳にして“おっさんキャラ”であるジェニファー・ローレンスは違った。
ジェニファーは『レ・ミゼラブル』のアン・ハサウェイと並び、その日最も注目された女優である。レッドカーペットに現れた彼女には芸能メディアのリポーターが代わる代わる近づき、あれこれと質問した。しかしその時、彼女の頭の中を独占していたのはオスカー像ではなく、マクドナルドのハンバーガーとポテトであったようだ。
「あのジェニファー・ローレンスがマクドナルドにハンバーガーを注文!」と、いきなり会場が騒がしくなっていることに気づいた『MTV News』のジョシュ・ホロウィッツとケーブルTVチャンネル「VH1」のジャネル・スノーデンが、さっそく彼女にマイクを向けてそう尋ねる。ジェニファーは「えーっ、もうバレちゃったの?」と情報流出の速さに驚いた上でこう説明した。
「今、餓死しそうなほどお腹がペコペコなの。自宅を出る間際にバタバタしちゃって、食べる時間なんて全くないまま車に乗りこんだわ。セレモニーは4時間も続くのにどうしようなんて思っていたら、マクドナルドの看板が目に入ったのよ。」