大人気の千葉県船橋市非公認のゆるキャラ“ふなっしー”。今やテレビやイベントに引っ張りだこ、携帯電話・スマートフォン向けの着信ボイスにも登場した。
だが人気が出れば出るほど、ふなっしーの着ぐるみは薄汚れて破損が目立ってきている。最近、新しい着ぐるみを発注したのだが、完成品があまりにも不出来でふなっしーは大変驚いたという。

5月12日放送の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に、同じ非公認ゆるキャラ仲間・尼崎市の“ちっちゃいおっさん”と登場したふなっしー。そこで2人は非公認ならではの苦労話を明かした。

ゆるキャラは本来、「地域の活性と町おこし」が目的である。地元の催し物に顔を出したり、時には地方のゆるキャラ対象のイベントに招かれることもある。地域の広報活動を目的としているので、ノーギャラで出演するイベントも多い。たとえば、ちっちゃいおっさんが愛媛県今治市の人気ゆるキャラのイベントに招待された時、2日間で20万円の自腹を切ったそうだ。地域公認のゆるキャラには税金から活動費が支給され、専門のスタッフが付き添っている。やはり単独で活動する非公認ゆるキャラの実態は、楽ではない。

野外でのイベントも多い、ゆるキャラ達。あちこちに呼ばれているふなっしーは、着ぐるみが淡い色使いのためか汚れが目立ち、ヨレヨレだ。
動きが激しいので、破損している個所も見受けられる。立派な着ぐるみの公認ゆるキャラの横に立つと、気の毒なくらいふなっしーが疲れて見えるのだ。そのためふなっしーは分身を中国で3万8000円で作ってもらったが、送られてきた実物に驚いたという。手の位置が違い目が両側に離れすぎている、まるで別物のような仕上がりだったようだ。

ふなっしーに関してはギャラが発生する仕事も増えており、関連グッズのロイヤリティー収入がこれから見込まれる。その関連グッズのひとつでぬいぐるみを作っているのは、『南三陸ミシン工房』という東日本大震災で被災した女性達とボランティアが立ち上げた工房である。一体一体手作りのため大量生産できず、販売価格もそんなに安くはできない。しかし「東北の方に作って欲しい」というふなっしー本人からの強い希望があって実現したと、『南三陸ミシン工房』の方がツイッターで明かしているのだ。

「ふなっしーは、非公認だからこその活動ができる」という声もある。自由に振舞うことができるのも、しがらみが少ない非公認だからこそだろうか。これから暑い季節がやってくる。もっと収入が増えたら通気性の良い立派な着ぐるみをオーダーして、ふなっしーを待っている日本中のファンに会いに行って欲しいものだ。

(TechinsightJapan編集部 みやび)
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