日本のホテル・レストラン業界が食品偽装問題に揺れる中、その道にかけては、残念ながら悪名高き大ベテランと言わざるを得ないのがお隣中国。またも“食肉”に関し、極めて不穏な実態が明らかになった。


外食産業のめざましい発展にもかかわらず、食肉の安全性に対する疑問の声がますます高まっている中国。消費者と同様に、警察も警戒心を一層強めて不法業者の摘発に力を注いでいる。そんな中、またしても闇の屠殺場の存在が発覚したことを『現代快報(Modern Express)』紙が伝えている。今度はなんとウサギ肉と偽ったネコ肉である。

中国江蘇省淮安市に闇の屠殺場があるとの情報を聞きつけ、10月30日午前4時半に手入れを行った警察当局。床は血だらけで悪臭が漂い、金属製のものは全てサビついているその屠殺場には、100体余の猫の剥ぎ取られた皮が、そして冷凍庫には数十体の猫の死骸が積み重なっており、問い詰めたところ作業員は「さばいた後は“ウサギ肉”として市場に出荷しました。
レストランにも流れたと思います」と話したという。

こちらの画像は地元メディアに公開された現場の映像のスクリーンショットであるが、主に野良猫が生きたまま1匹あたり160円ちょっとの値で広東や広西南部の業者の元に集まり、彼らはそこから生きたままの猫をケージ単位で買い取っていた。なかには輸送中に死んでしまう猫もいるが、ほとんどはその屠殺場で殺していたもようだ。

周辺住民は同紙に、「2~3日おきにバスが横付けになって、100もあろうかという大量のケージが出たり入ったりを繰り返していたのですが、それが猫であることがわかったんです。この屠殺場は1年以上前からやっていて、猫のような悲鳴が聞かれるとしばしば話題にはなっていました」と語っている。

今年2月、同じく江蘇省に本拠地を構える不法業者が小動物の肉を闇の屠殺場でさばき、牛・豚羊肉と偽って販売していた容疑で60名を超す逮捕者が出ている。
このことがきっかけとなり、5月には米国から進出したチェーンレストランを含む上海のいくつかの火鍋専門レストランで提供されていた“羊肉火鍋”が、実はネズミ、ミンク、キツネといった動物の肉を使用したものであったことが発覚し、大きな騒動となっていた。また化学物質に強く依存する体質にも不安が募る。2011年には植物成長促進剤の「ホルクロルフェニュロン」を散布したスイカが、ほどなくして自ら次々と割れる“爆発事件”として話題になったこともある。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)