タモリは「観たくない」と公言するほどミュージカル嫌いで知られる。そのタモリが2009年に香取慎吾が主演するミュージカル『TALK LIKE SINGING』を観劇して、なぜか観客からスタンディングオベーションで迎えられたことは有名な話だ。
交流のあるSMAPの香取慎吾が出ていることからタモリも足を運んだかに思われたが、実は彼が苦手なはずのミュージカルを観たのは三谷幸喜に理由があるという。

三谷幸喜が演出・脚本・作詞したミュージカル『TALK LIKE SINGING』は2009年にニューヨークのオフ・ブロードウェイ、2010年に赤坂ACTシアターで公演された。普通にしゃべることができず、常に歌い、踊り続ける主人公の青年ターロウを香取慎吾が演じたことでも話題となった。

当時、タモリがそのミュージカルを観に行ったところ、観客がスタンディングオベーションしたことがニュースになったほどだ。タモリは後に、ミュージカルを観た理由を「断る理由がなかった」と話している。

それから3年ほどが過ぎて12月18日の『笑っていいとも!』で、タモリがその時の真相を語った。
“テレフォンショッキング”のコーナーにゲスト出演した小池栄子と、ドラマでの演技について話が盛り上がった時だ。

タモリはドラマを見ていて、「いまだに、“いいところ”の家庭は食事のシーンで洋食をナイフとフォークで食べる。俺は“いいところ”の家庭をある程度知ってるけど、ほとんどが和食だよ」と違和感を訴えた。

「リアルじゃないですよね」と、小池栄子は演じる女優でありながらもタモリに共感する。そんな彼女がミュージカルに出演した際に、「好きだという気持ちをラブソングで伝えて、歌い終わってから(ドヤ顔で)下がるまでの15秒間が恥ずかしかった」と明かしたのだ。

タモリは「よく、ミュージカルをやったね! ミュージカルこそ、そういった疑問があると恥ずかしいはず」と小池栄子に感心すると、「俺は、(ミュージカルを)観ている自分が恥ずかしいから観ないのではない。
やっている方の立場になると、もっと恥ずかしいのではないかと思うから観ない」と説明した。

彼はミュージカルを観ないことを、三谷幸喜にも話したという。「なんで死ぬ前にキレイに歌ってハモって死ぬんだ?」と必要の無いところで歌うことが納得できないと訴えたのだ。

「すると、あの人(三谷)が意地になって“歌でしかものが言えない男の物語”をミュージカルにしたんだ。香取慎吾の主演で…」。そう証言したタモリは、「俺も観に行かない理由が無いので、観に行った」と明かしたのである。


3年前にミュージカル『TALK LIKE SINGING』の開演直前に、劇場の横のドアから入ったタモリ。「お客さんがみんな振り向いて、全員が立ち上がって拍手したんだよ」と彼はその瞬間を振り返ると、「『ついにこの男、観に来たぞ!』って思ったんだろうな」と苦笑していた。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉