アイドルグループ・バクステ外神田一丁目(いっちょめ)の1st.アルバム『①ザ・プロデュース』が、オリコンのCDアルバム週間ランキングで初登場18位を記録した。アイドルグループとしてアルバムが20位以内に入ったことは、彼女たちの人気が定着してきた証といえるだろう。
母体となるAKIHABARAバックステージpass(通称、バクステ)を手がけたつんく♂は「AKB48も大きな意味ではライバル」と表現しており、その人気にはもう一頑張りというところだ。今回のアルバムには“ヒャダイン”こと前山田健一が楽曲提供するなど、これまでから進化した内容となっている。捉え方によっては“アイドルグループのいいとこ取り”ともいえるバクステ外神田一丁目がこれから急成長する可能性もありそうだ。

つんく♂と志倉千代丸によって秋葉原にステージ常設型・カフェレストラン・AKIHABARAバックステージpassが作られた当初は、「AKB48の後追い」の声も聞かれたものだ。カフェで接客するアイドルキャストは店内のステージでパフォーマンスも披露する。カフェの来店客はそれぞれがプロデューサーとなり、お気に入りのアイドルキャストに投票。それによってランキングが決まりテレビ出演やCDジャケット選抜メンバーが選出される。そうしたシステムが「会いに行けるアイドル」をコンセプトにするAKB48劇場に似ているといわれるのだが、当のつんく♂はカフェオープン時のインタビューで、AKB48について「大きな意味ではライバル」と答えている。彼はAKB48とも力を合わせて「日本全体を盛り上げられるよう、みんなで頑張りたい」とも語っていた。

バクステ外神田一丁目のメンバーはカフェのアイドルキャスト全員(100人以上)となるが、シングル毎にメインメンバーやジャケットメンバーが変わる。2012年8月にインディーズシングル『プロデュース』、2013年1月に『ヨロピク ピクヨロ!』を出すと、5月8日に『バイトファイター』でメジャーデビューして同年の11月20日にはメジャー3枚目となるシングル『Oh my destiny』をリリースするなど活発だ。つんく♂以外の作者も楽曲を提供していることでハロプロよりも幅のある作品に仕上がっている。


特に1st.アルバム『①ザ・プロデュース』では、前山田健一(ヒャダイン)がアルバム用に書き下ろした新曲も含まれている。さらに、インディーズ・メジャーシングル全タイトル曲とこれまでカフェでしか聴かれなかった楽曲も収録されており、“バクステ外神田一丁目の集大成”ともいえる内容となった。

2月6日のラジオ番組『坂本美雨のディアフレンズ』(TOKYO FM)に出演したバクステ外神田一丁目の広沢麻衣と亀戸えりは、アルバムについて「お店に来れない方もいらっしゃると思うんですけど、そういう方にも楽しんで聴いていただけると思う」、「応援して下さってる人にも…今までカフェで歌ってた曲を、改めて録り直して、今回ソロパートもあったりするので、また違う風な感じで聞いていただけるんじゃないかな」と説明していた。

広沢麻衣は前山田健一が曲を書き下ろした『どうせ推されない』がお気に入りだという。歌詞は尾藤琉星によるもので、なかなかファンから応援してもらえないアイドルが他の人気メンバーに嫉妬しつつも、最後は自分も頑張って推されるようになろうと決意する内容だ。広沢も「前向きになっていくところが好きなんです」とすすめていた。

グループ名が発表されたのが2012年5月1日なので、バクステ外神田一丁目はまだ経歴は浅い。にもかかわらず、すでにパフォーマンスには光るものがあるのだ。特に歌はつんく♂が関わることでしっかりしており、いわばハロプロ流といえるだろう。そこにつんく♂以外の作者による楽曲、特に前山田健一が加わり初期のももクロのようなエッセンスも取り入れて幅が広がった。ファンがプロデュースしてランキングをつけるAKB48式でメンバーのモチベーションも上がる。彼女たちのパフォーマンスの秘密はそうした“アイドルグループのいいとこ取り”にあるのではと思えるほどだ。


2月8日(土)からは、『つんつべ♂プレゼンツ!調子ブッコキ祭り2014春 ~また調子ブッコいて今度は7ヶ所まわっちゃうぜ!ツアー~』もスタートする。昨年も全国5ヶ所のツアーを行ったが「今回は2ヶ所増えた上に1st.アルバム『①ザ・プロデュース』を引っさげて臨めるので」と広沢麻衣と亀戸えりも楽しみにしていた。


(TechinsightJapan編集部 真紀和泉
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