死刑執行の方法において紆余曲折が続いているアメリカ合衆国。そんな中でこのほどオクラホマ州のある死刑囚に対する処刑が行われたが、なんと失敗。
人々が見守る中で死刑囚は激しいけいれんと心臓発作に見舞われ、死亡するという事態が起きていたことが分かった。

えん罪のまま死刑が執行された例もあとを絶たず、近年、死刑廃止論が勢いを増す州が増えているアメリカ合衆国。おまけに人種や体格もまちまちということもあってか、死刑の執行方法については絞首刑、電気椅子を経て現在は薬物投与が主流となったものの、これがベストと言うべき方法がいまだ確立していない。1973年から1995年に行われた約5,800件の死刑執行において、1度でスパッと行かなかった例が7割近いとコロンビア大・法学部教授が発表し、波紋を広げたことも記憶に新しい。

そしてこのほどオクラホマ州では、クレイトン・ロケットという38歳の男の受刑者に対する死刑が執行されたが、それが失敗に終わり、結局は心臓発作で死亡させていたことが州更生当局により発表された。確実に死に至らしめる薬剤の組み合わせを模索する中、新しい試みとなる3種類の薬が用意されたが、投与して20分後にロケットは壮絶な七転八倒を繰り広げ、ほどなく心臓発作に見舞われて息を引き取った。
ロケットの家族は「薬剤に関する情報を明らかにせよ」と話し、苛立ちを隠せない。

ちなみにオハイオ州でも最近、死刑執行の失敗があったことを立ち会った記者が明らかにしている。デニス・マグワイア死刑囚は薬剤を投与されると体を震わせ、苦しそうにあえぎながら死亡。同死刑囚の子どもたちも立ち会っていたため、彼らの動揺はひどいものであったとしている。それまでは麻酔薬ペントバルビタールが使用されていたが、医薬品メーカー側が「自社製品のイメージが悪くなるから」と死刑執行時の使用を嫌い、オハイオ州はこの時、鎮静剤ミダゾラムと鎮痛剤ヒドロモルフォンを投与したという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)