ネズミ捕り粘着シートというトレイ型の製品をご存じであろうか。超強力と謳われた粘着剤は、その体をがっちりと捕らえたら決して離さない。
米アリゾナ州ではこのほど、体重1.8kgの小犬が誤ってそこにひっかかり動けなくなってしまった。このような場合、専門家はどう救助するのであろうか。

ピーナッツのようなにおいで誘い、シート表面にはポリブデンなどの業務用強力粘着剤が施されている、いわゆる「ネズミ捕り粘着シート」。米アリゾナ州フェニックスで、動物愛護協会にチワワ/ヨークシャー・テリアのミックス犬がその罠にひっかかっているとの連絡が入り、専門家が出動したことを『Fox News』が伝えた。どうしても取り除くことができない超強力なネバつきに絶望感すら漂ったというが、彼らのおかげでやがてシートは剥がされ毛もきれいに。犬はすっかり元気を取り戻している。


無理に引き剥がそうとすれば大変な痛みを伴うという中、その犬を優しく救ってあげたのは協会所属の「Emergency Animal Medical Technicians(略称EAMTs)」という専門知識を心得ている隊員たち。担当したアンディ・ギャロさんは、「犬はすでに衰弱しきっていました。もがくほどに毛はシートにへばりつき、体や手はもちろん、目や鼻までが塞がれ窒息寸前でした」と話している。彼らはピーナッツバターを犬の顔の前に塗って栄養補給をさせながら、ピーナッツオイルを慎重に少しずつ体に塗りながら粘着剤の力を弱めていった。完全に剥がれると「Second Chance Animal Hospital」という動物病院で治療を受け、回復した犬は“アビー”という名で里親を募集中だそうだ。

ネズミばかりか鳥、ペット、時にはハイハイした赤ちゃんが誤って罠にかかることすらあるというネズミ捕り粘着シート。
ペットが罠にひっかかってしまった場合、アビーのように食用油を浸した布で優しく拭いて粘着力を弱めることのほかに、先に小麦粉をまぶしてからタオルで取り除き、さらに食用油で拭いてからペット用シャンプーでよく洗い流すという方法もすすめられている。

※ 画像はfacebook.com/azhumaneのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)