妊娠に対する強い願望やストレスにより、実際に妊娠していないのに妊娠同様の兆候が現れる想像妊娠。インドから男性患者の話題が飛び込んできた。
『timesofindia.indiatimes.com』が伝えている。

インド西南部カリカット在住の52歳の男性は、大学院まで修了するも無職。2人の子の父親でもあるが「自分は妊娠している。お腹の中で赤ちゃんがキックするんだ」と家族に訴え続け、そのお腹は日に日に大きくなっていった。兄に連れられて行った精神科医の「男性が妊娠することはありません」の言葉にも耳を貸さず、症状は悪化。次第に「なるべく横になって、激しい運動は避けないとお腹の赤ちゃんに障る」と言い、吐き気、食欲減退など体の不調を訴えるようになった。

症状は6か月経っても改善せず、男性は定期的に医師のカウンセリングを受けるようになる。そのカウンセリングで、男性は若かった頃に同性と関係を持ったことを告白。性同一性障害や幻覚なども含め様々な検査が行われたが異常は見られず、「男性と寝たことで子供を授かった」と思い込んだことによる想像妊娠であると診断された。

男性の診察にあたったKMCT医科大学病院のP N Suresh kumar博士は「女性が妊娠した時にパートナーである男性が吐き気や体重増加など“擬娩症候群”に苦しむことは知られています。ただこの男性のように極端なケースは初めてです」と語る。男性は今では想像妊娠だったことを自覚し、服薬により症状は落ち着いてきている。
想像妊娠の詳しいメカニズムはわかっていないものの、ストレスや思い込みも一因であることは間違いないようだ。
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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