アメリカ人女性のジル・プライスさん(50)は、1980年以降の日々を詳細に記憶している。何時に起きたか、何を食べたか…全てを鮮明に覚えているため、眠る時にもその記憶が鮮やかに脳内に蘇ってきてリラックスすることができないのが悩みの種だそうだ。
しかし、このカメラアイの能力を仕事に活かす男性がイギリスにいる。英バーミンガムのウエストミッドランド警察で、PCSO(地域警察補助官)として勤務するアンディ・ポープさん(38)は、この4年間で850人以上もの犯罪者の検挙に貢献した。
ウスターシャー州レディッチ在住のアンディさんは、1年前に見た強盗犯の顔をほくろだけで特定できたり、キメが粗い監視カメラの映像からでも顔を記憶できるほどの優れた能力を持つ。
勤務開始時刻より30分も早く出勤するアンディさんは、コンピュータをオンにし、指名手配犯の写真を脳に叩き込む。そうすることで、今後目にした人物を特定できるというわけだ。仕事熱心なアンディさんは昼休みの時間でさえ、記憶をリフレッシュさせるために指名手配犯の顔を見続けるという毎日を送っている。
アンディさんは1年の間に150人以上の指名手配犯を見つけている。
警察官になる前のアンディさんはスポーツ店に勤務していた。実はアンディさん、幼少時も以前の勤務先でも自分の特殊能力には全く気付いていなかった。しかし2005年以降、現在の職務に就くようになり、1人の捜査官に「君には他の人よりも優れた記憶力がある」と言われたことがきっかけで、初めて自分の特殊能力に気付いたという。
自分のもつ「カメラアイ」という特殊能力について、科学的には検査をしたことがないというアンディさんだが、今の仕事に自分の能力が貢献していることを光栄だと話す。過去には警察からもその能力を表彰されているほどだ。
ただ、アンディさんは数字を記憶することには弱いらしく「誕生日とか記念日とか、すぐ忘れちゃうんですよ。だからその辺は妻に任せています」と英紙『Daily Mail』に語っている。
出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)