豪華客船でのクルージングツアーといえばとにかく盛んなのが北米。大手クルーズ会社による派手な買収合戦が続いた結果、現在北米のクルーズ業界トップは「カーニバル・クルーズ(Carnival Cruise Line)」。次に「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(Royal Caribbean International)」、さらに三番手がカーニバルの傘下に入った「プリンセス・クルーズ(Princess Cruises)」と続く。
このほど有罪の判決とともに4,000万ドル(約45.5億円)という業界史上最大の罰金を支払うよう命じられたのは、このプリンセス…を運航する「Princess Cruise Lines Ltd.(本社:カリフォルニア州サンタクラリタ)」。海洋汚染、環境破壊に対する対策や改善の努力が見られない上、隠ぺい工作が多々あったとして7件の重罪に問われていた。
2014年3月、法務省がテキサス州ヒューストンで同社の豪華客船について調査を実施したところ、不正なバルブやバイパス装置の存在が発覚。2005年からはイギリスの排他的経済水域などに大量の汚染廃棄物の投棄を行い、報告データを改ざんするなど隠ぺいは日常的であったことを突き止めた。調査対象となった客船は「スタープリンセス」、「グランドプリンセス」、「コーラルプリンセス」、「ゴールデンプリンセス」であったという。
なお、巨大な客船の運航に必要なのは大変な環境汚染を生む特殊かつ廉価なディーゼルエンジン用燃料。1隻あたりの消費量は驚くことに1日平均10万リットルを超えるという。
出典:http://www.princess.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)