米フロリダ州に暮らす2児の母ケイトリン・ヒルさんは6月25日、タンパにある屋内トランポリン・パークへ、コルトン君(3歳)を連れて行った。両親が見ていたすぐ横の幼児用トランポリンで楽しく遊んでいたコルトン君だが、その後悲劇が起きた。
コルトン君はトランポリンから落ち、大腿部を骨折してしまったのだ。ケイトリンさんは、息子を運んだ先の病院の医師に「6歳未満の子供にはトランポリンをさせてはいけない」と忠告され、大きなショックを受けた。幼い子供にとってトランポリンは不適切ということを全く知らなかったケイトリンさんは、病院で痛みに泣きながら腰からアキレス腱部分までギブスで固定されているコルトン君の写真をFacebookに投稿し、このように綴っている。
「整形外科医から、成長過程の骨は非常に繊細でジャンプによって繰り返し圧力がかかるとヒビが入ることもあると言われ、衝撃を受けました。思いもよらなかったことで息子が怪我をしてしまい、私の人生はひっくり返ってしまいました。息子はこれから6週間もギプスを装着しなければなりません。トランポリンによる小さな子供の事故で、本人や家族が悲痛な思いをしてトラウマになってしまうことを防ぐためにも、世間のみなさんに『幼児用の遊ぶ施設であっても6歳未満の子供には絶対にトランポリンをさせてはいけない』ということを伝えたいのです。」
現在この投稿は削除、もしくはプライベート設定になっているようだが、ユーザーの反響は大きく「6歳未満はトランポリンが不適切だなんて知らなかった」「うちの子たちトランポリンが大好きなんだけど、今度から別の遊び場を考えないと」「シェアしてくれてありがとう」といった声が寄せられた。テックインサイトではケイトリンさんに取材を試みたが、残念ながら返事は得られなかった。
昨年発行された医学誌「Pediatrics(小児科学)」によると、アメリカ国内のトランポリン・パークにおける事故で病院の緊急治療室を訪れた子供の数は2010年の約580件から4年間で10倍以上の7000件にまで増加しているという。
また米国小児科学会(The American Academy of Pediatrics)では、子供たちが遊びでトランポリンを利用することを勧めていない。どうしても使用する場合は1人でジャンプさせること、宙返りやでんぐり返しを避けること、常に親の監視のもとで遊ばせること、子供に安全パッドをつけるだけでなく周辺にもガードをつけることなどをアドバイスしている。子供たちが大きなトランポリンでみんなで一緒に楽しく、もしくは思いっきりジャンプすることが楽しいと思う一方で、そうしたことが怪我を招きやすいとなれば親もより一層の注意が必要であろう。
なお英メディア『The Independent』や『The Sun』によると、2015年の英国災害防止協会(The Royal Society for the Prevention of Accidents)の調査では、イギリス国内の家庭だけでなく学校や公園、ジムなどにあるトランポリン関連の事故で緊急治療室を訪れた子供の数は約13,000人にも上るという。アメリカだけではなく、イギリスでも「6歳未満の子供は跳躍をうまくコントロールできるほど身体が十分に発達していないため、トランポリンを使用すべきではない」と警告している。
画像は『Kait Ellen 2017年4月25日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)