このほど英トーク番組『The Jonathan Ross Show』にティナ・ターナーが登場し、1962年から1978年まで結婚していた故アイク・ターナーの様子を回顧、まずは彼が抱えていた問題についてこのように語った。
「とても辛く危険な状態だった。だって彼は暴力的な男だったから。ドラッグをやって、すごく不安定になっていたの。」
「私は無一文だった。そして行先も無い状態だったわ。」
しかしある日、ティナは逃亡を決意。その日のことを、ティナはこう回顧している。
「いちかばちか…そんな気分だった。自分にこう言い聞かせたの。ドアから出るのよって。そして彼が眠っている間に、ホテルをあとにしたの。キッチンから出て、高速道路に向かったわ。」
「車のスピードなんて、考えもしなかった。
だがティナの逃亡は計画性に乏しく、方法もあまりにも危険なものだった。
「そう。大型トラックが近くを通って、クラクションを鳴らされたわ。」
「もうダメだ」と思ったものの、ティナは逃走に成功。「つまり逃げ出すために命をかけたのですね」というホストに対し、「ええ、そういうこと」と答えている。
ちなみに2人はその後に離婚に至ったが、アイクからは何ひとつ貰えなかったそうだ。
「そう、全て彼がキープしたの。常々、俺のもとを去る時には何もやらないって言われていたのよ。」
「でも我慢の限界だった。常に虐待的な態度をとられたうえに、いろいろなことが起きていたの。自分では何ひとつコントロールできない。自由もなかった。そんな状況にいると、いつかこう思うようになるわ。『こんな状況で暮らしていくなら、生きていく価値はない』ってね。」
それでもアイクが苦労人だったと知っていたティナは、「助けてあげたい」という気持ちが強かったのだそう。
逃亡のタイミングが数秒でも違っていたら、ティナはその場で命を落としていた可能性もある。しかし逃亡していなければ、暴力的なアイクにより殺されていたかもしれない。77歳の今も元気でいられることは、ティナにとってはまさに奇跡と言えそうだ。ちなみにティナは現在の夫と1985年に出会い、2013年に再婚し今に至る。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)