かつて、アイク・ターナー(享年76)と結婚していた歌手ティナ・ターナー(77)。しかし音楽活動のパートナーでもあった彼との関係は次第に悪くなり、結婚生活の破綻後にティナはアイクによる家庭内暴力があったことを告白し世間を驚かせた。
そのティナがこのほどトーク番組に登場し、“アイクから逃げ出した日”を回顧、改めて世界中のファンを驚かせた。

このほど英トーク番組『The Jonathan Ross Show』にティナ・ターナーが登場し、1962年から1978年まで結婚していた故アイク・ターナーの様子を回顧、まずは彼が抱えていた問題についてこのように語った。

「とても辛く危険な状態だった。だって彼は暴力的な男だったから。ドラッグをやって、すごく不安定になっていたの。」
「私は無一文だった。そして行先も無い状態だったわ。」

しかしある日、ティナは逃亡を決意。その日のことを、ティナはこう回顧している。

「いちかばちか…そんな気分だった。自分にこう言い聞かせたの。ドアから出るのよって。そして彼が眠っている間に、ホテルをあとにしたの。キッチンから出て、高速道路に向かったわ。」
「車のスピードなんて、考えもしなかった。
ただ高速道路を走っていたの。」

だがティナの逃亡は計画性に乏しく、方法もあまりにも危険なものだった。

「そう。大型トラックが近くを通って、クラクションを鳴らされたわ。」

「もうダメだ」と思ったものの、ティナは逃走に成功。「つまり逃げ出すために命をかけたのですね」というホストに対し、「ええ、そういうこと」と答えている。

ちなみに2人はその後に離婚に至ったが、アイクからは何ひとつ貰えなかったそうだ。

「そう、全て彼がキープしたの。常々、俺のもとを去る時には何もやらないって言われていたのよ。」
「でも我慢の限界だった。常に虐待的な態度をとられたうえに、いろいろなことが起きていたの。自分では何ひとつコントロールできない。自由もなかった。そんな状況にいると、いつかこう思うようになるわ。『こんな状況で暮らしていくなら、生きていく価値はない』ってね。」

それでもアイクが苦労人だったと知っていたティナは、「助けてあげたい」という気持ちが強かったのだそう。
そのため長いあいだ彼に寄り添ったというが、状況はあまりに酷く「去る」という選択肢しか無かったという。

逃亡のタイミングが数秒でも違っていたら、ティナはその場で命を落としていた可能性もある。しかし逃亡していなければ、暴力的なアイクにより殺されていたかもしれない。77歳の今も元気でいられることは、ティナにとってはまさに奇跡と言えそうだ。ちなみにティナは現在の夫と1985年に出会い、2013年に再婚し今に至る。



(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)
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