中学時代にはすでに身体能力が高かったみやぞん、テニス部に入部しほどなく先輩と試合して負かすばかりか、テニス歴10年の顧問の先生にも勝った。先生が「教え子に負けたのは初めてだよ、なんでお前はそんなにうまいんだ」と兜を脱いだところ、彼はラケットを高々と掲げて「天性だっ」と返した。するとその後、2歩歩くと足の骨が折れてしまう。足首が逆を向く複雑骨折だったが原因は分からない。みやぞんは当時を回想して「調子に乗りましたね」「それからそういうことを言うのを止めようと思いました」と明かす。
骨折によりしばらく自宅から出られなかったみやぞんは、母親が置いていたギターを未経験ながら手に取って弾いてみた。するとその音を聞きつけた母が「上手じゃない!」「かっこいい」と褒めてくれ、やる気になった彼はテレビでミュージシャンがギターを弾くのを見て独学でマスターしたという。そのように母は前向きな発想で彼の才能を伸ばしてくれたのだ。
みやぞんは5人きょうだいの末っ子だ。母は早くに離婚して彼らを女手ひとつで育てた。みやぞんも物心がつくと家計が厳しいとは気づいたが、姉がペットの代わりに箱のなかにネジを置いて「ランラン」と名づけて可愛がっていたのを見た時は、「これはきっと貧しいな」と肌身で感じる。
たとえばみやぞんの誕生日に、母は「今日はお母さん作っちゃった!」と大皿に山盛りとなった“ほうれん草のおひたし”にローソクをたて、バースデーケーキ代わりにして「特別な日だからいっぱい食べてね」とお祝いしてくれ、子どもたちも喜んで思う存分ほうれん草を食べていた。
番組がみやぞんの母に依頼したアンケートでは、子育てについて「母子家庭で生活するのもやっとでしたが、子どもたちを喜ばせるためにいろいろ工夫しました。考え方ひとつで悪いことも楽しいことに変わる、そんな風にプラス思考で、家の中が明るくなるように心がけました」と答えている。
また、みやぞんが国語のテストで0点をとって落ち込んでいると、母は「0点か~、大丈夫! 元気で楽しく生きてくれればそれだけでいいんだからね!」と励ましてくれた。みやぞんによると、成績のことで怒ることはなく「お母ちゃんあんたのことを信じてるよ、私が産んだ子やもん」が口癖だという。
そうやって母に育てられたことでみやぞんもプラス思考になり「今まで失敗がない、全部成功だと思ってるから」と前向きになれるのだ。お笑い芸人として活躍する今も「楽しく生きることが恩返しだと思っている。返せませんから恩なんて、凄すぎてうちのお母ちゃん、返せっこないですよ」と母の偉大さを実感しており、「そのおかげで今がある。楽しいよと、幸せそうにしていることが一番の恩返しだと思ってる」という。
放送後には、視聴者から『みやぞん[ANZEN漫才] anzenmiyazon Instagram』に「爆笑&感動! お母様素敵な方ですね! うちの母親曰く、今年のクリスマスケーキは、ほうれん草らしいです(笑)」「分かりました。みやぞんさんがいつも笑顔でいる訳が。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)