イギリスでは12月25日が過ぎても年末まではクリスマス気分が続き、家族揃って食卓を囲むことも多い。余ったローストディナーをアレンジした料理も人気だが、特にクリスマスの日は親族らとともに七面鳥のローストディナーを食べるのが伝統的な習慣となっている。
多くの家族がクリスマスのためにスーパーが閉店になる数日前には七面鳥を購入し調理するわけだが、このほど賞味期限が切れていないにもかかわらず、大手スーパーチェーン店「TESCO(テスコ)」で購入した七面鳥が「腐っている」との苦情が相次いだ。『The Sun』『The Independent』『Metro』など複数の英メディアが伝えている。

25日のクリスマスには家族でプレゼントを開ける喜びもあるが、「皆でテーブルを囲み美味しいローストディナーを食べる」ことを楽しみにする人も多い。イギリスでは多くの家族が数日前に各スーパーで七面鳥を購入するのだが、今回、TESCOで購入し調理しようとした人々は賞味期限の切れていない七面鳥が異様なニオイを放っていることに気付いた。

エセックスからグラスゴーまで、各地のTESCOで七面鳥を購入した人たちがTwitterやFacebookに「買った七面鳥が腐ってたなんて、今までで最悪のクリスマスになったわ」「数日前に購入したばかりで賞味期限は26日となっているのに、既に死体のような臭いがする」と投稿した。

購入者が揃って言うには、調理しようと思いきやパッケージを開けると強いニオイが鼻を突いたという。
スタッフォードシャー州に住むジェーン・プラントさんはこのように話している。

「21日に七面鳥を購入したんだけど、数日間はニオイが充満したの。でもまさか腐っているとは思わず、てっきり夫の足のニオイだと思っていて夫を非難していたわ。でも24日に調理しようとしたら七面鳥が腐っていると分かって。疑っていた夫には謝って新しい七面鳥を買いに行ってもらったけど、イヴの夜だったしどの店も売り切れだったわ。仕方がないから牛肉を購入したけど。」

また、すでにローストし終えて食べようという段階になって「ブリーチのような味がする」「酸の味しかしない」と異変に気付いた購入者もいたようだ。
SNSには「緊急で中華のテイクアウトに切り替えなければならなかった」「8人分の食事をどうしてくれのよ。腐ってたから捨てるしかなかったわ」「クリスマスプディング以外に食べるものがなくなった」といったTESCOへの苦情が殺到した。

カースティン・ショアーさんは、七面鳥を食べられなかったことに「本気で深い悲しみを感じた」とFacebookに綴った。

「初めて家族揃ってのクリスマスディナーになる予定だったの。ディナーの準備にはかなり力を入れていたのに、TESCOにクリスマスを台無しにされたわ。七面鳥が腐っていただけじゃない。
グレイビーソースも七面鳥から作ったから、全部の料理がダメになって捨てなきゃならなかったのよ。」

今回TESCOでは、サイズにもよるが59ポンド(約9000円)までの価格で七面鳥を販売しており、決して“お手頃価格”とはいえなかった。苦情を受けたTESCOのソーシャルメディアチームは、各購入者に謝罪し返金を申し出ている。それでも「クリスマスに七面鳥を食べられなかった」という購入者の怒りはなかなか収まらないようだ。これを受けたTESCO側は「クリスマスの時期には、何百・何千という高品質の英国産七面鳥を当店では販売しており、品質管理に関しては高基準を誇っています。今回の少数の苦情に関しては、各購入者と連絡を取り調査する予定です」と述べているが、現時点では七面鳥が腐ってしまった原因は不明のようだ。

このニュースを知った人々からは「TESCO側も返金だけで済むのならラッキーじゃない? 誰かが深刻な食中毒にでもなったりしたらそれこそ大問題なわけだし」「たまたま今回TESCOだっただけで、他のスーパーでも腐ってたってことはあるよ。
私の場合も苦情を言って解決したけど」「これを機に、動物を食卓にのせるのは止めたら?」「ちゃんとした肉屋で新鮮なものを購入した方がいいよ。スーパーの食材は店に届くまで日にちが経っているものがほとんどだから、質も良くないし」といった声があがっている。

画像は『The Sun 2017年12月27日付「‘WE’RE SORRY’ Tesco apologises to customers over ‘rotten’ turkeys after shoppers moaned ‘gone off’ birds ruined Xmas」(CARL BARBER)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)