死が2人を分かつまで―結婚の誓いにある言葉が、このような形で起こってしまうとは誰も想像できなかったことだろう。このほど米テキサス州から悲劇のニュースが飛び込んできた。
結婚式を終えたばかりの幸せなカップルが搭乗したヘリコプターが墜落、パイロットとともに帰らぬ人となってしまった。『abc13 News』『Inside Edition』『Mirror』などが伝えている。

テキサス州ユバルディで家族や友人らに祝福されて挙式した幸せなカップルが、その1時間半後にこの世から旅立ってしまった。

同州ハンツビルのサム・ヒューストン州立大学に通う4年生のウィル・バイラーさん(23歳)とベイリー・アッカーマンさん(23歳)は11月3日、ウィルさんの家族の牧場で式を挙げた。ベイリーさんは大学で農業通信を専攻、ウィルさんは農業工学を専攻し、父や祖父同様にロデオに熱心だったことから大学のロデオチームのメンバーでもあった。

挙式とパーティーを終えた夜、2人は家族や友人らに見送られながらハネムーンに出発するために空港へと向かうヘリコプターに乗り込んだ。
若いウィルさんとベイリーさんは、これからの将来多くの夢を持ち、ともに人生を歩んでいくことを何より楽しみにしていたに違いない。しかしその夢は、無残にも砕かれてしまった。牧場から出発したヘリコプターは、ユバルディの北西24kmほどの地点で墜落。ウィルさんとベイリーさん、そしてヘリコプターを操縦していたパイロットのジェラルド・グリーン・ローレンスさん(76歳)が死亡した。

遺族によると、ジェラルドさんは過去に陸軍のキャプテンを務め、ベトナム戦争に従軍した経験を持ち、ヘリコプターの操縦に関しては50年近くのキャリアを持つ優れた操縦士だったという。ウィルさん一家と個人的に親しくしていたことから、このたび新婚カップルを空港まで送り届けるよう頼まれ、喜んで引き受けたそうだ。


しかし3人が乗ったベル206Bヘリコプターは空中を5分~10分飛んだ後、地形の険しい山脈に墜落し、連絡を受けたテキサス州公共安全局職員や狩猟区管理局員、国境警備隊、ユバルディ緊急医療サービスは、暗闇で現場が特定できず、夜明けを待って捜索を開始した。そして翌朝、激しく損傷したヘリコプターの残骸を発見。現在もヘリコプターの回収作業が行われていると同時に、連邦航空局や国家運輸安全委員会(NTSB)が事故原因について調査している。

挙式からわずかな時間に訪れた突然の悲劇に、ウィルさんとベイリーさんの家族はもちろんのこと、大学関係者や友人らも悲しみを隠せない。ベイリーさんの親友でブライズメイドをしたジェシカ・スティレーさんは、Facebookに「結婚式の数時間前、ベイリーは歓喜の涙を流していた。あれほど幸せに溢れていたのに。
親友を失い、私の心は粉々に砕けてしまった」と悲しみを吐露している。

生前のベイリーさんのFacebookアカウントには、カウボーイ姿のウィルさんとの幸せそうなツーショットや、ヘリコプターの中でウィルさんにプロポーズされ、婚約指輪をかざして喜びに満ち溢れる笑顔でポーズするベイリーさんの姿が投稿されている。ベイリーさんはウィルさんと婚約した日、Facebookにこのように綴っていた。

「今日が、これから永遠に一緒にいられる日の始まりになるのね。みんなにも私たちのように愛する人と巡り合えますように!」

また、愛するウィルさんとの挙式を心待ちにするような投稿もあった。

「花嫁になる日が近づいてくると、思っていた以上にドキドキする。
私は本当にラッキーな女性だわ。」

その笑顔からもベイリーさんとウィルさんが幸せ真っ只中だったことは明らかである。そんな2人にあまりにも理不尽に訪れたこの悲劇。ニュースを知った人からは「こんな形で結婚式の誓いの言葉の通りになってしまうなんて、あまりにも皮肉だな…」「なんて悲しい事故なんだ。どうか安らかに」「遺族もたまらないな。心からお悔み申し上げます」といった多くの追悼メッセージが寄せられている。

画像は『abc13 News 2018年11月6日付「NTSB combs helicopter wreckage after newlyweds and pilot killed near Uvalde, Texas」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)