日本人からすると猫や犬はペットとして家族のように扱うのが普通だが、お隣中国では彼らを食料とみなす文化がまだ根強く残っているようだ。また質の悪いことに、食用として他人のペットを盗む輩もいるのも事実だ。
そんななか、中国の動物福祉団体が食用として捕獲されていた猫375匹を救助したという話題が届いた。『South China Morning Post』などが伝えている。

今月2日深夜から3日早朝にかけて、動物福祉協会のスタッフらが中国の天津市にある屠殺場に不意打ちをかけて猫375匹を救出することに成功した。スタッフらは行方不明になった猫を捜している最中に、違法に運営しているこの屠殺場の存在に気付くこととなった。

救出にあたったスタッフの女性は、屠殺場について「人里離れた場所に荒れ果てた建物があり、そこに通じる道に沿って猫の毛、皮膚、動物の内臓などが散らばっていました」と語っている。また今回の報告書には、地元の人々からの「付近に違法な屠殺場があることは耳にしていたが、場所までは知らなかった」との記載があった。


違法屠殺場では24個の小さな檻が置かれており、1つの檻に約10匹、またはそれ以上の猫が詰め込まれていた。また現場には動物の皮が散らばっており、明らかに食肉用として屠殺されていたことが想像できた。

なお中国では、猫を食べることは違法ではない。広東省などでは蛇肉と猫肉を使ったスープ「龍虎闘」が有名だが、2007年以降はレストランでの提供を禁止している。しかしながら『South China Morning Post』によると今年4月、このスープのために猫を8匹盗んでレストランに売ろうとした男2人が逮捕されている。

香港に拠点を置くアジア動物支援組織のグループによると、中国では毎年約400万匹の猫と1000万頭の犬が食肉にするために殺されているという。


今回、違法屠殺場から救出された猫は動物福祉協会で世話をする予定だが、うち4匹は息を引き取ってしまった。また彼らが確認した限りでは、ほとんどの猫が去勢や避妊をしており爪の手当てもされていたという。このことから猫は飼い主から盗まれたものと見られている。現在保護された猫達は今後、里親を探して行く予定とのことだ。

画像は『封面新闻 2018年12月5日付「天津志愿者发现疑似屠猫窝点 连夜解救375只猫、猫肉去向成谜」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)