自然溢れるオーストラリアでは、野生生物が民家に姿を現すことはそう珍しくはないが、やはり突然の出現には誰もが驚くだろう。このほどブリスベンで、トイレの便座に座った女性が臀部をニシキヘビに噛みつかれたというニュースが、『Canberra Times』『Mirror』などで伝えられた。


1月22日、ブリスベンに住む義理の姉宅を訪れていたキャンベラ在住のヘレン・リチャーズさん(59歳)は、とんでもない経験をした。

この日、ひとりで義理姉宅にいたヘレンさんはアイロンがけでもしようと思い立ち、アイロンのスイッチを入れて熱くなるのを待つ間、トイレに行った。電気をつけずに便座に腰を下ろすと、ヘレンさんは臀部に鋭い何かが当たったのを感じた。

パンツを下ろしたまま驚いて飛び上がったヘレンさんは、田舎に住む姉妹の家のトイレにカエルがいたことを瞬時に思い出し、カエルの仕業と思ったようだ。しかし振り返ってみると、明らかにカエルよりも長いものが便器から25cmほど出ていることに気付いた。

「その長いものは、また便器の底に引っ込んでいったんです。」

ナガクビガメが首をひっこめたかのように見えた物体は、よくよく見るとニシキヘビであることが分かった。
クイーンズランドの農場で育った経験があるヘレンさんは、ニシキヘビはおとなしい性格であることを知っており、再度攻撃はしてこないだろうと思った。そこでほうきの柄を使ってそっとトイレの蓋を閉め、開かないように2つの植木鉢を置いて、ヘビ駆除業者に連絡した。

ヘビ駆除業者のジャスミン・ゼレニーさんが到着した時には、体長1.6メートルのカーペットニシキヘビはトイレの底にとぐろを巻いておとなしく留まっていたようだ。その後、無事にヘビをトイレから駆除したジャスミンさんは「不幸にもヘレンさんが便座に座ったことで、ヘビが出口を失ったと恐怖に陥り、ヘレンさんに噛みついてしまったのでしょう」と話している。

ヘレンさんが噛まれた傷は出血していたがあまり痛まず、その日は自分で消毒薬を使って傷を治療し、翌日に病院で破傷風の注射を受けた。ニシキヘビは無毒のため噛まれても害はないが、念のために破傷風治療を受けることが勧められているという。
オーストラリアは現在、地域によっては記録的な猛暑が続いているが、こうした暑い時期にカーペットニシキヘビが民家のトイレの水を求める姿がよく見られるとのことだ。

「数日経ってこそ笑い話にできた」というヘレンさんは、「用を足す前には便器の中を確認したほうがいい」と注意を喚起している。

画像は『Mirror 2019年1月25日付「Giant 5ft snake bites woman’s bum while she’s sitting on toilet」(Image: JASMINE ZELENY)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)