デートサイトで知り合って出会ったとしても、カップルとして成立するとは限らない。このほど2015年に豪シドニーで起こったストーカー事件の裁判が行われたが、振られた女は相手の男性に9,000回ものメッセージを送っていたことが判明した。
『news.com.au』などが伝えている。

ニューサウスウェールズ州シドニーに住む中国系オーストラリア人の放射線科医師デニース・ジェーン・リー(39歳 報道により40歳とも)は、2015年にデートアプリ「Tinder(ティンダー)」で知り合ったアカウントマネージャーのマシュー・ホルバートンさんに対して4か月以上にわたり9,000件にもおよぶメッセージを執拗に送り続けた。脅迫やストーカー行為に及んだとして、マシューさんから告訴され、このほどダウニングセンター地方裁判所へ姿を見せた。

2015年7月28日、マシューさんと最初のディナーデートをしたリーはその後、携帯電話にマシューさんから気があるような思わせぶりなメッセージを受け取り、8月29日に2度目のディナーデートをした。そして9月3日、18日と続けて食事をともにし、4度目の食事の後で2人は性的関係を結んだ。だがしばらくしてマシューさんの態度が豹変したことに気付いたリーは、不満と怒りを露わにしたメッセージを頻繁にマシューさんの携帯電話に送信。
最初こそ「縁がなかっただけ」と返信していたマシューさんは、「金輪際、話もしたくないし会いたくもない。メッセージをするのは止めて放っておいてくれ」とリーに伝えるも、「体だけが目的で利用された」と怒ったリーは、時間をおかずして次々とマシューさんを非難するメッセージを暴言とともに送り続けた。

「あなたと一緒にいて私は楽しかったのに、セックスだけが目的だったなんて。」
「やってしまえばもう終わりってわけね。」
「そうだとわかっていれば、関係など持たなかったのに。」
「絶対に泣き寝入りなんかしないわ。」
「こんなふうに私をないがしろにするなんて、いったい何様なの。」
「利用するだけ利用して、このまま黙って引き下がれっていうの!?」

リーは怒りをぶつけるメッセージだけでなく、マシューさんの性的能力を嘲る言葉まで送り付けた。その後10月3日、マシューさんは事をなんとか穏便に済ませようと再びリーに会ったが、リーのアパートで酒を飲んだ後、再び2人は合意のもとで性的関係を結んだ。4回のデートで関係に至ったのは2度のみということから「ごく短期間の交際に過ぎなかった」と主張するマシューさんだが、この割り切った態度がリーの怒りを助長させた。

以降もリーはマシューさんにメッセージを送り続け、その内容は次第に怒りから脅迫へと変わっていった。


「思い知らせてやるわ。」
「あんたの人生、めちゃくちゃにしてやる。」
「あんたの大切なものを奪ってやるから。」
「自業自得よ。絶対後悔させてやる!」
「10倍にして復讐してやるから。」
「やりたい時以外は本当にあんたって冷たい男だわ。人の気持ちなんてどうでもいいんでしょ。」
「いつかしっぺ返しが来るんだからね!」

11月15日にリーは、マシューさんの勤務先や上司および同僚のメールアドレスを知っているとメッセージした。更にマシューさんの両親の名前まで明かしたことから、マシューさんは恐怖を感じた。そこでマシューさんが「自分を傷つけようとしているのか」と問うと、「そんなことしない」とリーは否定。しかしリーはGPS機能を使ってマシューさんの住所を突き止め、マシューさんの元交際相手だった日本人の血を引く女性についても調べ上げ、差別的発言や侮辱発言をした。
しかもマシューさんの新しい交際相手ジョージア・デンプスターさんや彼女の両親にまでもメールを送信するなど、リーの嫌がらせとストーカー行為はエスカレートしたのだ。

マシューさんはこの件以降、現在はシドニーを離れてメルボルンで暮らしているという。リーについては、ストーカー行為および意図的に身体的危害を引き起こそうと威圧した罪2件と暴力禁止令への違反1件、嫌がらせや脅迫目的で通信サービスを利用した罪6件で起訴されており、今年3月29日にシドニーのダウニングセンター地方裁判所で特別審問が行われる予定とのことだ。

画像は『news.com.au 2019年3月9日付「‘I will make you f**king pay’: Woman’s 9000 texts after failed Tinder date」(Source:News Corp Australia)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)