先月25日の午前中、四川省成都市大邑県のある場所で多くの人が集まり上を見上げていた。人々の視線の先には、高層マンション外壁の換気用シャフトが設置されている格子をハシゴ代わりにして降りる高齢女性の姿があった。
この女性は14階に住んでおり、アルツハイマー病を患っていた。一緒に暮らす家族はその日、外出中に勝手に家を出ないように鍵をかけていたという。ところが女性はトイレの窓から抜け出してしまったのだ。
群衆が見守る中、午前10時頃に女性が4階あたりに達した時、同階の住人が女性を窓から引き寄せ、レスキュー隊が到着する前に無事救助された。女性が怪我をしたという報告などは今のところ伝えられていない。
ちなみに『South China Morning Post』によると、北京に拠点を置く中民社会救助研究院が2016年に発表したデータで、中国国内では約50万人の高齢者が毎年道で迷子になっているとのことだ。そのうち約4分の1がアルツハイマー病と診断されているという。
なお日本では、厚生労働省が発表したアルツハイマー患者数は2002年で8万9千人となっており、2014年では53万4千人と12年間で約6倍にも増えている。厚生労働科学研究成果データベースによると、アルツハイマー病の患者数は各年齢層の認知症有病率が一定数であると仮定した場合、2025年には466万人、また上昇した場合は504万人に上ると推定されている。
画像は『New York post 2019年4月26日付「Grandmother with Alzheimer’s climbs out of high-rise in China」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)