フロリダ州セント・オーガスティン出身のローレンさんは2004年、高校時代から交際していたマシュー・アカーソさん(以下、マットさん)と結婚した。それから15年が経ち、8歳、5歳、2歳の3人の娘に恵まれた夫婦に先月29日、待望の男の子“マシューJr.”(以下、マシュー)君”が誕生した。しかしローレンさんは分娩時に非常に稀な合併症を起こし、マシュー君を胸に抱くことなくこの世を去った。
一方のマシュー君は、出生時に脳への酸素が不足したことで脳に深刻な障害を負い、ジャクソンビルのウルフソン小児病院に緊急搬送された。新生児集中治療室で生命維持装置に繋がれたマシュー君は、一進一退の状態が続いたもののわずかながら回復の兆しが見られるようになり、マットさんは生後12日目にして初めて我が子を腕に抱くことができた。
夫婦が通っていた教会のマクロリー牧師夫妻はローレンさんの死後にメディアのインタビューに応じており、「2人は幼なじみで、マットがお付き合いをしたのはローレンだけでした。とても仲の良い夫婦でしたよ。ローレンは生前、男の子が生まれると知ってSNSで25個の青の絵文字を送ってきたのです。マシュー君が今着ている洋服も全てローレンが選んだものです。
しかし今月14日にマシュー君の容態が急変し、マクロリー牧師はFacebookにマットさんからのメッセージを投稿した。そこにはマットさんの父親としてのあまりにも切ない心情が綴られていた。
「今日は私の人生の中で最もつらく、一生忘れることができない日になるでしょう。
「考えたくもなかったことですが、現実と向き合わなければなりません。できることならマシューが繋がれている全ての機械を外して、病院の臭いがしない、病院からできるだけ離れた場所へ連れて行ってあげたい。ビーチにある家族のコンドミニアムに連れて行って、姉や祖母、従弟からいっぱいキスをもらって、愛情いっぱいの環境で育ててあげれば病気なんて治ってしまうかもしれない…。最初はそんなことも考えました。
「父親は誰一人として、こんな決断を下すべきではないと思います。生命維持装置を外すことです。」
「神様。あなたは私の魂の伴侶を連れ去ってしまった。そして今度は息子も捧げなければならないのか。どうか、私に慈悲を与えてください。
「ある人は私たちのことを聞いて悲劇だと思うでしょう。ある人は神様はどこにいるのだろうと思うでしょう。またある人は奇跡は起こらないと言うでしょう。」
「でも聞いて欲しい。真実はこうです。マシューが生きていることが奇跡なのです。マシューの誕生は正常とはかけ離れたものでした。
「奇跡とは何でしょうか…。私にとっての奇跡は、魂の伴侶と約20年間を一緒に過ごせたこと。そして4人の素晴らしい子供たちに恵まれたことです。そしてマシューを胸に抱き、可能な限り貴重な瞬間を一緒に過ごすことができたことです。」
「その時が来たら、マシューを母親のもとに送り出します。私の妻は天国で初めて息子を抱きしめることができるでしょう。マシューを天国へ送り出す日は迫っています。私たち家族のための祈りに感謝します。」
なおマットさんは予防医学で活躍する医師で、昨年は来日を果たしており、友人らが設置したクラウドファンディングサイト『GoFundMe』には日本からもメッセージが寄せられている。マシュー君が母のもとで再び安らかな眠りにつくこと、3人の娘さんとマットさんにこれからもたくさんの奇跡が訪れることを祈りたい。
画像は『GoFundMe 2019年4月30日付「The Accurso Family」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)