このほどカザフスタンで、新生児を誘拐しまるで物のように売りさばこうとした女が逮捕された。女は金銭目的とみられているが、カザフスタンでは未だに児童労働および奴隷労働、人身売買、臓器売買などが横行しているという。
『Mirror』などが伝えている。

カザフスタン共和国ジャンブル州にある「タラズ市立産科婦人病院(the Taraz Regional Maternity Hospital)」から警察に、女の子の新生児が行方不明との通報が入った。そして病院内の監視カメラを確認すると、ピンク色の服を着た女が新生児を連れ出す様子が映っていた。

この女の名はアゼル(Asel、22)といい、監視カメラには新生児をバッグに放り込み、そのバッグを握りしめ、病院スタッフに気付かれないように足早に外へと出て行くアゼルの様子が捉えられていたのだ。

どうやら病院で母子をケアする介助スタッフにちょっとした用事の電話が入ったため、その間に新生児は誰の監視もない状態に置かれていたようだ。その瞬間をアゼルは狙ったと見られている。
そしてスタッフが電話から戻ると新生児が見当たらず、慌てて警察に通報したという。

この通報から約2時間後、アゼルは新生児と一緒に病院からほど近いアスタナ・ホテルにいたところを逮捕された。アゼルはこの時、何者かと新生児の売買取引を行おうとしていたことが警察の調べにより明らかになっている。

実はアゼル、誘拐を実行する3日前に同じ病棟で3人目の子供を出産していた。そのためアゼルの顔を覚えていた病院スタッフが、アゼルの「知人に会いに来た」という主張を信じて病院内に立ち入ることを許可したという。

警察は「新生児の健康状態に問題はなく、命の危険もありません。
今は母親のもとに無事戻りました。当警察はこの事件を2時間で解決に至ることができました」と声明を出している。

なお現在のアゼルは自宅軟禁されており、有罪が確定すれば誘拐および人身売買の罪で最大10年は刑務所に収監される可能性があるという。

画像は『Mirror 2019年7月15日付「Woman, 22, ‘steals newborn girl’ from hospital and ‘tries to sell her to strangers’」(Image: KTK)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)