先月21日、米カリフォルニア州ローナートパークに住むジェームズ・ホワイトさん(James White)が1歳のピットブル“ダービー(Darby)”を伴って同州ボーデーガ湾に釣りに来ていた。
岸辺あたりは車の通りが激しい道路に近かったので、ジェームズさんは自分の目につく2~3メートル離れた場所に車を停め、ダービーは車の中で待機し、開いている窓からジェームズさんの釣りの様子をうかがっていたようだ。
するとジェームズさんの釣り糸に大物がかかったような引きがあった。ジェームズさんは10分ほどリールを巻いて大物と格闘、何とか引き寄せた時にその大物が約6フィート(1.8メートル)もあるエビスザメだったことに気付いた。
この時ジェームズさんはサメから釣り針を外そうとしたが、サメが身をよじって暴れた瞬間に左足首に噛みついてきたのだ。
サメの歯から足を抜こうとしたジェームズさんだったが、自分ではどうすることもできなかった。そこで数百メートル離れた場所にいる釣り人に向かって助けを求めて叫んだが、いち早く駆けつけたのは彼の愛犬ダービーだった。
ジェームズさんの叫びを聞いたダービーは、夢中で車内のドアレバーを引いたのかドアを開けて飛び出し、ジェームズさんのもとへと駆け寄った。すぐさまダービーはサメのエラ部分に噛みついて応戦したが、サメはさらに噛む力を強めたようで、思わずジェームズさんはダービーに「離れて!」と叫んだ。
ダービーはジェームズさんの言葉を理解してサメから一旦離れ、今度は尾の部分に噛みついた。
これによりジェームズさんはなんとかサメを自分の足から引き離すことができ、大事に至ることはなかった。その後ジェームズさんは、サメを海に返したという。
ジェームズさんは、ダービーが自分を救ってくれたことを初めて人に語った際、「なに言ってんだよ。気は確かかい? そんなのあり得ないよ」と一笑に付されたそうだ。
現在、足の傷もだいぶ癒えたジェームズさんはダービーに非常に感謝しているという。以前のジェームズさんはダービーのことを「愛嬌たっぷりで遊び好きな犬」としか思っていなかったようだが、飼い主を救うため、自ら行動を起こしたダービーに非常に驚き、同時に誇りに思うようになったそうだ。
「ダービーはウチに来た時から大事な家族の一員です。あの時、ダービーがいなければ私の足はもっと最悪な状態になっていたことでしょう。」
今後もジェームズさんは、ダービーなしで釣りに行くことはないだろう。
画像は『PEOPLE.com 2019年8月19日付「Dog Hailed as Hero After Saving Fisherman Owner Who Was Attacked by a 6-Foot Shark」(PHOTO:NBC BAY AREA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)