毒ヘビと言えば日本ではハブやマムシが知られているが、台湾に生息するヒャッポダ(百歩蛇)は「百歩歩くうちに死ぬ」と言われるほどの猛毒からその名が付いたという。このヒャッポダ、中国では「五歩蛇」と呼ばれている。
五歩歩いたら死ぬというわけだ。現代では毒ヘビに噛まれてもすぐに血清注射を受ければ治療が可能だが、「五歩歩いたら死ぬ」という言い伝えを信じ、噛まれた指を切り落としてしまった人がいた。『Nownews』などが伝えている。

10月26日、中国・浙江省杭州市に住む男性、張さん(60歳)は山仕事中に人差し指をヘビに噛まれてしまった。指を噛んだのが“五歩蛇”だと気付いた張さんは驚き、慌てて指をナイフで切り落としたという。その後、病院へ駆け込んだ。

病院スタッフの話では、人差し指が切り落とされているのを見た時は驚いたが、張さんに事情を聞いて思わずやれやれと頭を振ったそうだ。「そんな必要はなかったのに。“五歩蛇”は世間で思われているほど猛毒ではない」という。

医師によれば、過去にも毒ヘビに噛まれ、医療の知識がないばかりに間違った応急処置をしてしまうケースが何度もあったようだ。張さんと同じように、手や足の指を切り落としたり、紐やワイヤーできつく縛ったり、傷口を焼いて毒素を破壊しようとした人もおり、病院へ来た頃にはすでに組織が壊死していたそうだ。

医師は「毒ヘビに噛まれたとしても、毒素がまわるには時間がかかるので、すぐに病院で治療を受ければ、通常命の危険はない」と述べている。
なお、残念ながら張さんは切り落とした指を捨ててしまっており、再接着はできなかったということだ。

画像は『NOWnews 2019年10月29日付「陸男被百步蛇咬到「斷指」保命! 醫生傻眼:完全沒必要」(圖/翻攝自大陸微博)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)
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