夜中の遅い時間に帰宅して家族に鍵をかけられ仕方なくドアホンを鳴らすというのは、なにも人間だけではなかったようだ。このほどアメリカで飼い主に外へ締め出されてしまった犬が、夜中にドアホンを鳴らす動画が人気になっている。
『New York Post』や『Storytrender』などが伝えた。

米ジョージア州マクドノウ在住のロバート・フォックスさん(Robert Fox)とアンジェリアさん(Angelia)一家は、チカ(Chika)という名のラブラドール・レトリバーのミックス犬を飼っている。チカはもちろんフォックス家の大事な家族の一員だが、ひょんなことから家から締め出されてしまったようだ。

先月28日夜のこと、就寝する前に家族は家の戸締りのため玄関に鍵をかけた。しかしチカを外に出していたことを家族の誰もが忘れていたようだ。何も知らないチカは外で遊んでいたのか、その数時間後の29日の午前2時18分頃に玄関に戻ってきた。


この時家族は既に眠りに就いており、誰もドアを開けてくれる気配がないことで埒が明かないと思ったのか、チカはジャンプしてドアホンのボタンを鼻で押した。それは明らかにチカがドアホンが何のためにあるのかを知っているかのようだった。

だがドアホンを鳴らしたものの、フォックス家の家族はぐっすり眠っていたようで誰も起きてくる気配がなかった。チカはしばらく玄関前で待っていたが、別の場所から物音が聞こえたため一旦玄関から立ち去り、しばらくしてまた戻って来て再びドアホンを前足で押して鳴らした。

『Storytrender』によると、アンジェリアさんがドアホンの音で目を覚まし、寝ていたロバートさんを起こして「誰かが玄関にいる」と伝えたそうだ。夜中の2時過ぎにドアホンを鳴らすなど、普通ではないと思った夫婦に一瞬緊張が走った。


ロバートさんは半ズボンをはき、手に銃を持って玄関に向かおうとした。しかしアンジェリアさんが玄関の監視カメラを確認すると、ドアベルを鳴らしたのがチカだということが分かり、ロバートさんは持っていた銃をしまい、玄関を開けてチカを家に入れたそうだ。

ロバートさんは「チカがドアホンを鳴らしたのはこれが初めてです」と話しており、チカを家に入れた後、その日の夜は夫婦で笑いが止まらなかったという。

このチカの映像を見た人達からは、「なんて賢い犬なんだ」「この賢い犬はもしかして犬の着ぐるみを着た人間の子供かも」「今度はこの犬に鍵を持たせたほうがいいね」といった声のほか、「寝る前に大事なペットが側にいるか確認してよ」「ペットをひとりで外に出さないで」などチカを外に出して忘れてしまったロバートさん達に厳しい意見も見受けられた。

アメリカでも地方の田舎では犬をリード無しで外へ出しっ放しにする家庭がまだあるようだが、今回は頭の良いチカだったからこそ迷子犬にならずに済んだようだ。



画像は『New York Post 2019年10月31日付「Cute pic shows doggie ring doorbell after getting left out」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)