テイラー・スウィフトが1月にリリースしたシングル『The Man』のMVが、現地時間27日に解禁となった。テイラーは約4分間にわたるビデオのほぼ全篇に男装して出演しており、この姿が楽曲版権問題で争っている敏腕マネージャーのスクーター・ブラウン氏に似ていることで話題になっている。


米出身の歌姫テイラー・スウィフトが昨年8月にリリースしたアルバム『Lover』の4曲目に収録されている『The Man』。男性優位の社会に物申す同曲はファンの間でたちまち人気となり、今年1月にシングルカットされた。

その『The Man』のMVがこのたびリリースされたが、元彼への“復讐ソング”を書かせたらナンバーワンのテイラーが、約4分にわたるそのビデオのほぼ全篇に男装して出演しており、その姿が楽曲の版権問題で争っている「敏腕マネージャーのスクーター・ブラウン氏にそっくり」と話題を集めている。

顔に髭をたくわえ、ダークブラウンのヘア&カラーコンタクトですっかりスクーター・ブラウン氏になりきったテイラーが、ストリップクラブで羽目を外し、水着姿の若い女性らとヨットで戯れ、地下鉄のホームで立小便をする場面はかなり衝撃的だ。

同曲には、激情型のパワハラ上司や浮気常習男、“イクメン”とチヤホヤされていい気になる勘違い男など実際にいそうな男性が次々と登場する。そんな男性像の1つ1つをテイラー自らが演じることで、女性としての生きづらさやフラストレーション、理不尽な男女間の格差について強く訴えかけているのだ。


テイラーは昨年12月の『Billboard』誌のインタビューのなかで、同曲について「自分自身をはじめ、業界内のあらゆる女性達の体験に基づいて書かれたもの」と明かしており、男女間の不平等という重いテーマをあえて強烈なビジュアルとキャッチーな歌詞で世に送り出すことで、人々が日常的にこの問題に意識を向けてくれるようになれば―とその思いを語っていた。

『The Man』のMVは他のMV同様、全篇に様々なメッセージが隠されているのだが、あるシーンではカニエ・ウェスト&キム・カーダシアンの自宅を彷彿させる内装が登場することから、テイラーは同曲のなかで「2人のこともディスっている」とも言われている。他にも、テニスコートのシーンで審判を務めているのがテイラーの実父スコットさんであったり、最後で男性の声を担当しているのが“ロック様”ことドウェイン・ジョンソンだったりと細部まで色々な“仕掛け”が楽しめる。

テイラー自らがメガホンを取った『The Man』のMVは、解禁からわずか1日で1400万回を超える再生回数を記録している。男装はもちろんのこと、理不尽なダブル・スタンダードや男性優位の風潮を見事に風刺したビジュアルはテイラー・スウィフトのファンでなくとも一見の価値アリだ。



画像は『Taylor Swift 2020年2月17日付Instagram「The Man - Live From Paris」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)