カナダ出身の俳優ライアン・レイノルズが、このほどバンクーバーの母校「キツラノ・セカンダリースクール」を6月に卒業する高校生全員に地元ピザ店のギフトカードをプレゼントしたことが明らかになった。3月から様々な団体に多額の寄付をしているライアン、地元への深い愛情やその太っ腹な行いには多くの称賛が集まっている。


『デッドプール』(2016年公開)や『名探偵ピカチュウ』(2019年公開)などで知られる人気俳優ライアン・レイノルズは、カナダ・バンクーバーの出身だ。日頃から地元愛を炸裂させているライアンがこのほど、自身も通った公立高校「キツラノ・セカンダリースクール(Kitsilano Secondary School)」を今年卒業する高校生達に向けて、YouTubeを通じバーチャル祝賀スピーチを行った。

ヨレヨレのTシャツに髭面でリラックスした面持ちのライアンは、「カッコいいスピーチは何も用意していないんだよね」と断りを入れながら、持ち前の気さくさと親しみやすさでこう語りかけた。

「僕のことを成功者だと思う人もいるかもしれない。『グリーン・ランタン』(ライアンが主演した2011年公開の映画)を観た人もいるかもしれない。でも人生、そして僕のキャリアをより大きな成功に導いてくれたのは、“共感する力”だった。」

「驚いたことに、人の気持ちや行動に理解を示す“共感力”を持つことで、お金も稼げたし、友人もできた。
お金で買えない思い出だってできた。他人を丸ごと受け止めて、愛情を注ぐこともできるようになった。自分の犯した過ちを認めて、そこから学ぶこともね。そして何よりも、僕は幸せになれたんだ。」

ライアンは歴史の慣用句として度々引用される“Divide and conquer”(分割し統治せよ)という言葉を引き合いに出し、

「スタイリッシュかつ時代を先取りする世代になるであろう君達には、ぜひともこの逆を実践してほしいと思う。他者に共感する気持ちを持って接してほしい。」

と呼びかけた。

日頃からジョーク好きで知られるライアンは、最後に

「僕を見て、君達がおそらく即座に下ネタを期待しただろうことは分かってるよ。
でもそれは君達が大学を卒業する時までとっておくことにする。大学はどうしても行かなきゃいけないって訳じゃないけどね、実際、僕も行かなかったし。(正確には中退)」

と述べ、心温まるスピーチを締めくくった。

やがてスクリーンには「キツラノ・セカンダリースクール 2020年度卒業生 おめでとう」の字幕が流れ、その後に「あぁ、それから『Nat’s Pizzeria』が懐かしよ。卒業生全員に僕からラージピザをおごらせてもらおう…みんなの健闘を祈ってるよ」の文字が。1994年に卒業した高校に「キッツ(キツラノ・セカンダリースクール)はあの頃の僕にとって人生最高の場所だった」と懐かしむライアン、地元が生んだスーパースターの粋な計らいは、

「超セレブになっても地元を愛し続けるライアンは最高にクール」
「これぞカナディアン・プライド!」
「バンクーバー市民であることが誇りに思える」

と2020年度の卒業生達を歓喜させた。
また普段は辛辣なジョークを連発するライアンだけに、このたびの心のこもったスピーチには

「なんか健全すぎていつものライアンと違う!」
「でもこっちのライアンもいいな!」
「こんな先生だったら毎日学校に行くのが楽しくなるのに」

といった声も多く見受けられた。

『CBC News』によればこのたびのYouTubeによるメッセージは、ライアン本人と学校スタッフが協力して企画したもので、従来の卒業式ができなくなってしまった今年度の卒業生達も大変喜んでいるという。また地元紙『Vancouver Sun』は、高校時代に通い詰めた地元ピザ店にライアン本人が直接電話をかけ、事前に卒業生およそ300人分のギフトカードをオーダーしたことを報じている。

ライアンは3月、妻で女優のブレイク・ライブリーとともに「フードバンクス・カナダ」「フィーディング・アメリカ」の2つの食糧支援団体に合計100万ドル(約1億1000万円)を寄付したほか、ニューヨークの4つの病院にもそれぞれ10万ドルずつ合計40万ドル(約4320万円)を寄付していた。



画像は『Ryan Reynolds 2019年11月25日付Instagram「Newest @mintmobile customer.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)