各国で社会的隔離措置が取られているが、アメリカに住む85歳の女性も近くに住む家族に会うことやハグすることもできずにいた。しかし彼女の孫娘による素晴らしいアイデアによって、ひ孫達と温かいハグをすることができたという。
『RTÉ』『Mirror』などが伝えている。

米イリノイ州に住むローズ・ギャニオンさん(Rose Gagnon、85)は、社会的隔離措置が取られる前は近くに住む孫やひ孫達と毎日のように顔を合わせて過ごしていた。しかしローズさんは現在、高齢であるゆえ新型コロナウイルスに感染すると致命的になりかねないため、隔離措置として2か月以上も愛する孫達と触れ合うことができずにいた。

しかし今月に入って、ローズさんはすでに成人して子供もいる孫娘のカーリー・マリナロさん(Carly Marinaro)からロックフォードの彼女の家に招待された。そしてカーリーさん宅の庭に到着したローズさんは、大きなビニールシートで作られた塀のようなものを目にした。

そこには大きく「ハグ・タイム」と書かれてあり、驚いたローズさんが「これ、どうしたの!?」と聞くと、カーリーさんは「早くこっちにきて、おばあちゃん」と急かされた。
ビニールシートの塀に空いてある穴へ手を通すように言われたローズさんは、これが感染の心配もなく孫達とハグできるように作られたものだと悟った。

これはカーリーさんが作った“ハグ・マシーン”で、ビニールシートの塀にビニール手袋がついた穴が6つあり、穴に両腕を通して直接的な接触をせずとも双方でハグができるようになっていた。ローズさんは言われるままに穴に両腕を通すと、ひ孫達が待ちきれない様子で反対側の穴から両腕を伸ばしてローズさんにハグしてきた。

およそ2か月ぶりのひ孫達とのハグに、思わず感極まったローズさんは「おお! 愛してる! 愛してるわ!」と口にしながら抱きしめた。すると他のひ孫達も「次は私の番よ」とローズさんとのハグを待ちきれない様子で、残りの4つの穴に両腕を伸ばして抱きついたのだ。ローズさんは2人のひ孫からハグされ幸せそうに笑みを浮かべている。


ローズさんは「本当、もう泣きそうになっちゃったわ。だってこんなことができるなんて信じられなかったから。もう嬉しくって心臓が破裂するかと思ったわ。本当に気持ちが充分満たされた感じがしたの」と語っており、一方で“ハグ・マシーン”を作ったカーリーさんはこのように話している。

「今の状態は私達にどうすることもできませんが、私も子供達もおばあちゃんを抱きしめる必要があったのです。“ハグ・マシーン”はそれを満たすために充分効果がありました。」

「私達は、家族と離れて孤立するなんてことができる訳ないんです。
一緒にいられないなんて本当に悲しいことです。今回のこの幸せな瞬間を人々と共有することができたことは本当に嬉しいことです。」

カーリーさんは自分のアイデアが、他にも最愛の人とハグできずに辛い思いをしている人達に役立って欲しいと願っているとのことだ。



画像は『RTÉ 2020年5月15日付「‘Hug machine’ lets great-grandmother embrace children」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)