英国を拠点とする神出鬼没の覆面アーティスト、バンクシー。無断でさまざまな場所に作品を残すスタイルで、その作品には高額の値がつくことでも知られている。日本でもバンクシーらしき作品が発見されたこともあるが、これに「毒舌芸人ナンバー1」とも言われるタレントの有吉弘行が噛みついた。

19日放送のラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』で、英ロンドンの地下鉄に描かれたバンクシーの作品が清掃員によって消されたというニュースが紹介された。14日にバンクシーが自身のインスタグラムでこの制作過程を動画で紹介しており、彼の作品に間違いないようだ。動画では走行中の地下鉄車内でエアスプレーやスプレー缶で何匹ものネズミの絵などやメッセージを描いたバンクシー。ネズミはマスクをパラグライダーのように使っていたり、消毒液のようなものを手にしているが、これらはマスク着用を呼びかけるものだという。

ロンドンの地下鉄では落書きは禁止されており、地下鉄清掃員はバンクシーの作品だとは知らずに消したのだが、このニュースに有吉弘行は「こんなの、伝える必要ない。パッと消して終わりだよ。かわいそうにね、清掃員の人」と憤った。この制作映像を見た有吉は「防護服を着たバンクシーがさっとやって来て、スプレーみたいので絵を描いてるんですよ。こんなの捕まえなければダメだ。いい加減にしないと、本当に」と怒りが収まらない。続けて、「何がメッセージだよ。落書きしといて」「いい気になってますよ、めちゃめちゃいい気になってるでしょう、超いい気になってません? マジ迷惑系YouTuberみたいなもんでしょう」とピシャリ。「清掃員の人はゴシゴシ(消して)一生懸命ひと手間仕事が増えて。腱鞘炎にもなったらどうするんですか?」と自分の仕事をきちんとしたにもかかわらずバンクシーの作品を消してしまったと伝えられた清掃員にも同情した。

落書き禁止の場所に絵を描いたことに「ダメって言われたことはダメなんだから」と訴える有吉だが、実際に日本でもたとえバンクシーであっても落書きは許されないと判断した例があった。2019年12月に兵庫県洲本市でバンクシーの作品『風船と少女』に似た絵や傘とカバンを持ったネズミの絵が見つかった。洲本市では許可なく公共施設に絵を描くことは許されないため、この絵を消去して被害届を出している。

ネット上では「バンクシーでもやってる事は落書きと同じなんだから清掃員の方が責められるのはおかしいよ」「公共物は皆の物、素敵に思う人もいれば不快に思う人もいます。有吉弘行さんの意見は間違ってないと思う」「公共物に落書きするのは犯罪ですよね~!」「落書きには違いない。アートと認知されれば公共場所の落書きも正当化されるのかって事だよね」「確かに正しい意見。ただ、そういうカルチャーも面白いよね」「『伝えたいことがあるなら、もっと他の表現があるだろ!?』っていうことかな?」などさまざまな意見が見受けられるが、「正論」「有吉さんに同意」「おっしゃる通り」など有吉に同意する声が多いようだ。



(TechinsightJapan編集部 関原りあん)