声優で俳優の三ツ矢雄二が、セクシュアリティ(人間の性のあり方)をカミングアウトしたLGBTQの人々を祝福する10月11日のカミングアウトデーにTwitterで心境をつぶやいた。三ツ矢は2017年にテレビ番組で「ゲイ」であることを明かしたが、今では「僕はカミングアウトして楽しく毎日を暮らしています」という。


テレビアニメ『タッチ』(1985年)の上杉達也役や映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ』などでマイケル・J・フォックスの吹き替えを担当するなど数々の作品で知られる三ツ矢雄二は、かつてオネエキャラを売りにしていた。

2016年4月30日、オネエたちがバレーボールで活躍するタイの映画『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』の舞台挨拶でのことだ。登壇した三ツ矢雄二は、劇中の登場人物が同性愛者だと親にカミングアウトできない場面にシンパシーを覚えて涙ぐんだと明かし、「カミングアウトをするしないって大変。肉親や友人に言うか言わないかで、面倒くさくなって、結局グレーゾーン!」とぶっちゃけた。

当時はまだ「グレーゾーン」と濁していた三ツ矢だが、2017年1月12日深夜放送のバラエティ番組『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~』(テレビ東京系)で「ゲイかストレートかって言われればゲイ」とカミングアウトした。それまでは兄が会社で何か言われるのではないかと案じて「グレーゾーン」としていたが、その兄が定年退職したので「もういいか」と踏み切ったという。


カミングアウトしたことで「LGBT」についての講演依頼が増え、昨年夏には同性婚カップルを描いた舞台『三ツ矢雄二プロデュース LGBT THEATER Vol.1「MOTERS AND SONS ~母と息子~」』を上演するなど「LGBT」への理解を広める活動を積極的に行っている。

三ツ矢は今年の10月11日にTwitterで「今日は、カミングアウトデイです。悩んでる人相談に乗るよ。勇気ある人、ぜひカミングアウトを」と呼びかけ、「僕はカミングアウトして楽しく毎日を暮らしています。あと、LGBT の人に優しくしてね」と願っていた。

ちなみに「LGBTQ」とは性自認が女性の同性愛者であるL(レズビアン)、性自認が男性の同性愛者であるG(ゲイ)、男性・女性の両方を愛することができるB(バイセクシュアル)、主に身体的な性別と性自認が一致しないT(トランスジェンダー)、そして自分は男女どちらでもないがL・G・B・Tの中にもあてはまらないのでは?と考えるQ(クエスチョニング、またはクイア)を意味する。


日本で「LGBT」を強く印象づけたのは、テレビドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)で2001年10月期に放送された第6シリーズではないだろうか。上戸彩演じる生徒・鶴本直が性同一性障害に悩み、胸の膨らみを隠そうとさらしを巻いたり、父親から「おまえは女の子だ」と言われて自分の喉をフォークで突いてしまう場面などもあり、「LGBT」について真剣に考えさせられたものだ。

三ツ矢雄二の他にも、モデルの佐藤かよが2010年8月31日にバラエティ番組『魔女たちの22時』(日本テレビ系)で男性だとカミングアウト。原宿アパレルショップのカリスマ店員でおネエタレントのぺえは、2017年1月10日放送のバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー』で山形県の実家に里帰りして両親に「恋愛対象は男性」とカミングアウトするシーンが話題になった。

そんなぺえは、前田敦子AKB48にいた時から交流を続けており「親友」と呼びあう間柄だ。またミッツ・マングローブ小島瑠璃子を家に呼んで遊ぶほど仲が良く、社会の環境がずいぶん変わったことを感じる。
「LGBTに優しい」世の中になりつつあるのかもしれない。

画像は『三ツ矢雄二 2019年4月27日付Twitter』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)