アメリカの医療雑誌で寒さに対してアレルギーを持つ男性の症例が発表され、注目を集めている。男性はシャワールームを出た後、身体が冷気にさらされたことで瀕死の状態になってしまったという。
『New York Post』『Live Science』『The UBJ』などが伝えた。

10月27日、アメリカの救急医療専門情報誌『救急医療ジャーナル(The American journal of Emergency Medicine)』が米コロラド州在住の34歳の男性患者の症例を発表し、多くのメディアが関心を寄せている。

男性は熱いシャワーを浴びた後に、シャワールームを出るとたちまち身体中に蕁麻疹が現れ、息が苦しくなり床に倒れてしまったとのことだ。男性の異変に気づいた家族が救急車を呼び、彼は病院へと搬送された。

症例報告によると、男性はアナフィラキシーショックを起こして命を落とす危険があったという。男性の家族は到着した救急隊員に「もともと寒さに対してアレルギーがある」と話しており、以前にも寒さに反応して蕁麻疹が出ることがあったが、アナフィラキシーショックを起こすまでには至らなかったそうだ。


男性は病院に到着するまでの間、救急隊員によって酸素吸入とアドレナリンを投与され、病院の集中治療室で治療を受けることとなった。治療にあたった医師は、男性が「寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)」であると診断した。

『Live Science』によると、寒冷蕁麻疹は冷たい外気や冷水などの低温にさらされた後、皮膚に起こるアレルギー反応を言うが、中には冷たい食べ物や飲み物を摂取した後に症状が出る場合もあるそうだ。また深刻な状態になると血圧が急に低くなり、気道が狭くなって呼吸困難を起こし、死の危険が伴うとのことだ。

今回の男性の場合、熱いシャワーを浴びた後に急に冷たい外気に全身がさらされたことでアナフィラキシーショックを起こしたようだ。医師がアイスキューブを男性の皮膚に5分ほど置いてテストしたところ、皮膚に赤い発疹が見られたため寒冷蕁麻疹と診断したという。


男性はもともと温暖な気候のミクロネシア連邦の出身で、米コロラド州に来てからこのような症状が出るようになったそうだ。その後、男性は医師から冷水などに対して皮膚が触れないようにと指示され、緊急補助治療用のエピペンを処方された後に無事退院している。

画像は『The UBJ 2020年11月2日付「Man Almost Dies From An Allergic Reaction To Cold Air After A Shower」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)