ジャニーズと言えば、少年隊からKing & Princeなど若手まで伝統的にバク転が得意なイメージがある。しかしそれに対してバク転する女性アイドルをあまり見ないのは、男女でアピールする“武器”が違うからだろうか。そんななかーニング娘。’20の生田衣梨奈がインスタグラムにバク転する動画を投稿して注目を集めた。どうもここ数年で女性アイドルの意識が変わってきたようなのだ。

モーニング娘。の9期メンバーでサブリーダーの“えりぽん”こと生田衣梨奈は、美容やおしゃれに詳しく「#えりぽんかわいい」のハッシュタグを用いてファンに親しまれている。またゴルフが特技で芸能人も参加するプロアマチャリティトーナメントの常連だ。

その生田衣梨奈がインスタグラムで11月2日に「ロンダートバク転」、3日に「3回連続バク転」する動画を公開した。実は生田、2015年に『モーニング娘。’15 コンサートツアー2015秋~ PRISM~』、2016年は『モーニング娘。’16コンサートツアー春~EMOTION IN MOTION~』で4回連続バク転を披露しており、このたびの投稿で「日本武道館当日は…バク転連続4回して危ないでしょ!!!って怒られました笑 ノリでやっちゃった笑」と明かしている。

そんな裏話とともに「リハーサル動画とかあんまり出してこなかったからなんか出せて嬉しいなー!」とバク転する動画を公開した生田に、フォロワーから「すごい身体能力だね。美しいだけじゃない生田さん」、「ノリでやれるの天才かよ」、「PRISM懐かしいなあ また見たいけど無理だけはしないでね…」などの反響があった。

キレキレのフォーメーションダンスを踊りながら生歌にこだわるストイックなモーニング娘。でさえ、バク転でアピールするのは生田衣梨奈くらいである。ハロプロでは1999年2月に結成された4人組グループ・太陽とシスコムーンの信田美帆がバク転などアクロバットを披露したが、信田は元体操選手でソウル五輪に出場した経験もあり特別なケースといえるだろう。

生田衣梨奈は2018年10月にジムでトレーニングしながら取材を受けた際、ライブでバク転やバク宙を披露することについて「お腹の下の筋肉を鍛えないとバク宙が出来ないって言われました」と話しており、ハンドスプリングが特技なのに加えて意識的にトレーニングすることで身体能力を高めていることがうかがわれた。

女性アイドルでは、1984年11月にシングルデビューしたアイドルグループ・セイントフォーがレオタード姿でバク転やバク宙を披露したが、失敗することもありそれが逆に話題となったものだ。アクロバットを披露する女性アイドルの先駆けながら、以降のアイドルがセイントフォーを追随する形にはならなかった。

ところが最近はももいろクローバーZの玉井詩織が、ドロシー役で出演したミュージカル『マッスルファンタジー オズの魔法使い』プレミアム公演を終えて2018年4月14日にブログで「ロンダートバク転を教わって補助ありだったけど、出来て嬉しかったです ライブでやるのはもう少し待っててね(笑)」と綴ったのをはじめ、SKE48の5期生・藤本美月がバク転やバク宙を得意とするなど女性アイドルに変化が見られる。

坂道シリーズも乃木坂46の新4期生・松尾美佑がロンダートからの2回連続バク転をライブやテレビ番組で披露すれば、櫻坂46(当時は欅坂46)の尾関梨香は1月にラジオ番組で2020年の目標を「バク転ができるようになりたい」と宣言していた。

一方でジャニーズはフォーリーブス(1967年4月結成)の北公次さん(2012年2月22日逝去・享年63)がバク転を得意としたことから、その流れを汲んで後輩もバク転を披露するようになった。少年隊やV6はメンバー全員によるバク転で魅了したものだ。

「アクロバット・ボーイズ・クラブ」の頭文字をグループ名にするA.B.C-Zなどはメンバー5人が全員でバク宙する上に、最もアクロバットが得意な塚田僚一は30回連続バク転の記録を持つ。

ただ昨年5月16日放送のフジテレビ系バラエティ番組『VS嵐』で「ジャニーズはみんなバク転できる」という説はウソだという話題になり、櫻井翔が「たぶん都市伝説だと実証されたのは、俺のおかげだと思うよ」とJr.時代に練習で失敗を重ねて「俺、バク転できない」と認めた過去を明かした。そのように人気グループの嵐でもバク転が苦手なメンバーはおり、ジャニーズだからみんなバク転ができるとは限らないのである。

これからはジャニーズばかりでなく生田衣梨奈や玉井詩織、藤本美月、松尾美佑のように女性アイドルがバク転やバク宙でどんどんアピールする時代がくるかもしれない。



画像は『生田衣梨奈(モーニング娘。’20) 2020年11月1日付Instagram「ツインテールは正義」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)