
インドネシアの西ジャワ州バンドンの消防署が今月24日、自殺しようとした34歳男性の救助の様子を捉えた動画をInstagramに投稿したところ、多くの注目を集めた。投稿には男性の7歳になる息子が自殺を思いとどまらせようと父親に説得を試みたことが綴られていた。
今月23日のこと、地元に住むバパック・アンドリさん(Bapak Andri、34)は飛び降り自殺をしようと高さ30メートルほどもある鉄塔の頂上付近にいた。
鉄塔に人がいることに気づいた近隣住民が消防署に通報し、多くの人が集まって現場は騒然となった。救う手立てがないまま時間が過ぎ、このままではバパックさんが鉄塔から飛び降りてしまうのではないかと思われた。
人々が見守る中、しばらくして消防隊によってバパックさんの7歳になる息子が現場に連れて来られた。息子は消防隊に抱えられた状態で拡声器を通してバパックさんに向けて「パパ! 降りてきて! パパ大好きだよ」と叫んだ。さらに周囲からもバパックさんに鉄塔から降りてくるよう声があがった。
それでも降りてくる気配のないバパックさんに、息子は諦めず「パパ! もうすぐ僕の誕生日がやってくるんだよ。降りてきて」と訴えた。警察、消防隊らの声にも耳を傾けなかったバパックさんは息子の言葉に心動かされたのか、消防隊の手を借りて鉄塔から降りてきたのだ。