英国で活動する日本人歌手リナ・サワヤマ(30)が、英音楽賞「ブリット・アワーズ(Brit Awards)」にノミネートされた。日本生まれで英国育ちのリナは英国籍を取得しておらず、もとは受賞候補の資格がなかった。
そのため彼女が資格変更を求める運動を展開したことで、英音楽賞が候補者資格ルールを変更していた。リナはノミネートを喜ぶとともに「次世代アーティストのために扉が開かれた」と伝えている。

現地時間11日に英音楽授賞式「ブリット・アワーズ」の受賞候補者が発表され、今後の活躍が期待されるライジング・スター賞に日本国籍のリナ・サワヤマがノミネートされた。受賞者は今月19日に発表され、授賞式典は英時間5月11日に開催される予定だ。
  
1990年に新潟県で生まれたリナは、幼少時に両親と英ロンドンに移住。永住権は取得したものの日本が二重国籍を認めていないため、英国籍は取得していない。


英レコード産業協会(BPI)が運営する音楽賞「ブリット・アワーズ」「マーキュリー・プライズ(Mercury Prize)」の受賞候補者は、かつて英国籍保有者のみという規則だった。そのため日本国籍のリナにはノミネートされる資格がなかったのだ。

リナはこれに異を唱え、メディアやオンラインで音楽賞の規則変更を求める発言を始めた。するとSNSでは「#SAWAYAMAISBRITISH」がトレンド入りし、エルトン・ジョンらミュージシャンが彼女を支持するなど大きなキャンペーンへと広がった。

このことを受け、英レコード産業協会は英時間2月24日にこの規制を改正。今後は英国生まれか英国のパスポート保有者(二重国籍も可能)、もしくは英国に5年以上在住していれば「ブリット・アワーズ」と「マーキュリー・プライズ」へのノミネート資格を得られることになった。


この知らせを受けて、リナは自身のSNSで「何度も話し合いを重ねた結果、BPIが資格規則を変更することを決定したというニュースをお伝えできて非常に幸せです」と喜びを伝えた。

そして今月11日には、リナが「ブリット・アワーズ」にノミネートされたという嬉しい知らせが舞い込んだ。彼女は「ライジング・スターにノミネートされたことを知ったとき、マジで床に倒れこんでしまった」と明かし、このように続けた。

「数週間前までは受賞資格がなかったのに、今では私のような次世代のアーティストのために扉が開かれた。このことは私にとって、言葉で言い表せないほどの大きな意味があるのよ。」


リナはイギリスの名門ケンブリッジ大学に在籍中、ヒップホップグループに参加してパフォーマンスを行っていた。2013年にはシングル『Sleeping in Waking』をリリースして音楽活動を開始、2020年にはシングル『STFU!』『Comme des Garçons (Like the Boys)』が英インディーチャートや米トップ・ヒートシーカーズでトップ10入りした。


同年リリースしたデビューアルバム『Sawayama』は全世界で1億回以上のストリーミングを記録、『New York Times』『The Guardian』を含む50以上のメディアが発表した2020年アルバム・オブ・ザ・イヤー・リストでランクインするなど、多くの賞賛を浴びている。

画像1、2枚目は『Rina Sawayama 2021年3月9日付Instagram「so excited to watch @balmain #pfw show at 8pm CET !」、2021年3月11日付Instagram「no words !!!!!!!!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)